クレスコは大型案件の一巡など乗り越え連続最高益を更新

株式市場 銘柄

■受注高・受注残高が2ケタ増加し今期も増収増益をめざす

 クレスコ<4674>(東1)が8月9日発表した2019年3月期の連結決算は、ソフトウエア開発部門で金融業界向けの大型案件が一巡した一方、公共サービス向けや流通向けが好調に推移したことなどにより、売上高は前期比5.7%増加して352.30億円となり、営業利益は同3.7%増加して32.1億円、親会社株主に帰属する純利益は同3.8%増加して22.9億円となった。売上高、各利益とも続けて最高を更新した。

■期初は減益含みだったが四半期ごとに回復傾向を強める

 期初は、大型案件の一巡に加えて一部不採算の案件があったため、第1四半期の段階では営業利益が前年同期比21%減となったが、以後は四半期ごとに回復傾向を強めた。ソフトウエア開発部門の公共サービス向けは旅行業や人材サービス向けの案件が堅調に推移。また、組み込み型ソフトウエア開発部門では、カーエレクトロニクスや情報家電向けが売り上げベースで前期比16%から17%増加した。

■ソフトウェア開発では人材、旅行、物流業界など一段と拡大の見込み

 今期も、企業の「デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation、DX)」が生み出す需要に支えられ、全体的に概ね良好に推移すると予測している。主要セグメントで、特に成長が見込まれる分野としては、ソフトウェア開発事業では人材、旅行、物流、などとし、組込型ソフトウェア開発事業では、カーエレクトロニクス、情報家電などとした。

 受注高・受注残高(連結ベース)をみると、19年3月期は受注高が前期比10.5%増加して367.92億円となり、受注残高は同29.2%増加して71.14億円となった。その前の18年3月期は受注高が4.2%の増加、受注残高が2.2%の増加だった。このため、今期・20年3月期は豊富な受注状況の中でスタートした形になる。

 連結業績見通しは、売上高を378.80億円(前期比7.5%の増加)とし、エンジニア不足などの厳しい人材環境はあるものの、営業利益は34.00億円(同6.0%の増加)、親会社株主に帰属する純利益は24.16億円(同5.7%の増加)、1株利益は220円84銭とした。売上高、営業利益、経常利益は10期連続の増加になる。(HC)

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