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ジェイテックは20年3月期減益予想で急落したが売り一巡感
- 2019/5/15 08:30
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。19年3月期は大幅増益だったが、20年3月期は減益予想としている。これを嫌気して株価は5月13日に急落したが、14日には前日比プラスに転じて早くも売り一巡感を強めている。
■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力
製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別している。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。18年4月1日時点のテクノロジスト数は428名である。
機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱として、LIXIL、本田技術研究所、デンソーテクノ、ヤマハ発動機、三菱日立パワーシステムズ、パナソニックホームアプライアンス、富士通テンなど、幅広い業種の優良企業との取引がある。特定の業界・企業への依存度を低くして、業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。
18年3月期の業種別売上構成比は、自動車関連21%、産業用機器関連17%、精密機器関連3%、情報通信機器関連3%、電子・電気機器関連8%、半導体・集積回路関連3%、情報処理関連12%、建築関連24%などとなっている。また顧客上位10社の占める割合は約49%である。
18年3月には、インターネットを通じて派遣社員の勤怠状況を管理するクラウドサービス「staff-one」の販売を開始した。また18年10月には、多言語対応注文支援システム「グルくる」が経済産業省のIT導入補助金の対象サービスに認定された。
なお19年4月、連結子会社のジェイテックアドバンストテクノロジ(JAT)とジェイテックアーキテクト(JAC)を合併(存続会社JAT)した。
■19年3月期大幅増益、20年3月期減益予想
19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比2.3%増の31億25百万円、営業利益が2.0倍の1億56百万円、経常利益が2.1倍の1億56百万円、純利益が2.7倍の91百万円だった。計画値(1月28日に売上高を下方修正、利益を上方修正)を下回ったが大幅増益だった。配当は18年3月期と同額の年間1円(期末一括)とした。配当性向は9.4%となる。
計画どおりのテクノロジスト確保が難しく、人材不足で受注案件に対応できない状況だったが、技術職知財リース事業におけるテクノロジストの高付加価値業務への配属、新入社員の早期派遣稼働、稼働率の高水準推移、契約単価の上昇、一般派遣およびエンジニア派遣事業におけるのれん償却の一巡、全社を挙げた業務効率化などで大幅増益だった。セグメント別には技術職知財リース事業が2.2%増収で21.6%増益、一般派遣およびエンジニア派遣事業が4.6%増収で2.6倍増益だった。
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比11.5%増の34億85百万円、営業利益が22.3%減の1億22百万円、経常利益が22.6%減の1億21百万円、純利益が28.7%減の65百万円としている。需要が高水準に推移して2桁増収だが、採用コストの増加などで減益予想である。配当予想は19年3月期と同額の年間1円(期末一括)としている。予想配当性向は13.2%となる。
中期経営計画では目標値に、21年3月期売上高35億74百万円、営業利益1億15百万円、経常利益1億14百万円、純利益87百万円を掲げている。人材確保が課題だが収益拡大を期待したい。
■株価は売り一巡感
株価は20年3月期減益予想を嫌気して5月13日に急落したが、14日には前日比プラスに転じて早くも売り一巡感を強めている。5月14日の終値は229円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円58銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS105円40銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約20億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)