【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船はモミ合い上放れ接近、16年3月期増収増益期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は、高値圏でのモミ合いに煮詰まり感を強めている。16年3月期も増収増益が期待され、指標面の割安感が強くモミ合い上放れの展開だろう。1月高値の440円を突破すれば07年12月以来の500円台も視野に入る。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間合計投資額135億円を掲げている。

 また中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。オフショア支援船は16年2月竣工予定で、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

 なお15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に売上高を減額)は売上高が前々期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、配当予想(4月30日公表)が同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、内航部門は石灰石・石炭の各専用船が好調だ。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果、原油価格下落メリットに加えて、14年8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。想定為替レートは1米ドル=105円としている。

 第3四半期累計(4月~12月)は前年同期比3.3%増収、同4.0%営業増益、同9.9%経常増益、同20.5%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が75.3%、営業利益が84.0%、経常利益が92.0%、純利益が100.2%と高水準だった。

 なお四半期推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)111億91百万円、第2四半期(7月~9月)122億87百万円、第3四半期(10月~12月)119億83百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円だった。営業利益は所有船のドック入りが集中した第1四半期をボトムとして改善基調だ。通期利益は増額の可能性が高いだろう。

 今期(16年3月期)も近海部門で日本向け石炭輸送、内航部門で石灰石・石炭の各専用船が高稼働に推移するだろう。そして原油価格下落メリットの本格化、円安の進行、船舶量適正化や運航コスト削減の効果も追い風となって増収増益基調だろう。

 中期的にも陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されている。さらに日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務も寄与して、中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、原油価格下落を好感した1月高値440円後は、高値圏410円~420円近辺の小幅レンジでモミ合う展開が続いている。ただし煮詰まり感を強めている。

 4月10日の終値415円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9~10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺でモミ合う展開だが、日柄調整が完了してモミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。16年3月期も増収増益が期待されて指標面の割安感が強い。1月高値の440円を突破すれば07年12月以来の500円台も視野に入るだろう。

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