【新規上場(IPO)銘柄】オーウエルは年2回配当実施へ、配当利回り妙味増す

株式市場 IPO 鐘

 オーウエル<7670>(東2)は、昨年12月13日に東京証券取引所市場第二部に上場。同社社グループは、1943年の会社設立以来、産業用塗料で常に販売高トップの実績を上げている。取引先は、約3,000社の仕入先と約3,000社の得意先。豊富な取扱商品の中からニーズに合った最適な商品を提供し、国内外のものづくりを支えている。
 現在では、塗料・塗膜形成技術、生産財(化成品・物資)、工事、グローバル、LED照明、機能性光学製品、エレクトロニクスの7つの基幹事業を展開。同社、連結子 会社16社及び持分法適用関連会社4社の計21社で構成され、塗料関連事業、電気・電子部品事業の2つの事業に関連する2つの事業に関する商品の販売を行っている。

 同社グループは、2018年度に策定した中期経営計画は2年度目を迎えて「意匠や機能で、人々の未来を豊かにする - We are O-Well! -」というビジョンのもと、引き続き同社グループのコア事業である塗料関連事業と電気・電子部品事業のシナジーを高め、提供価値を革新して、顧客の課題解決に的を絞り、新たな需要を創造していくとともに、やりがいと誇りを持てる企業を目指している。

 塗料関連事業では、今後のIoTの急速な進展や、人材不足が懸念される環境に対して、同社グループの電気・電子部品事業を活用して、塗装の高度化、省人化への取り組みを本格化させている。また、高機能コーティング材やコーティング工法の開発をはじめ、従来の塗料に代表されるウエット工法に加え、フィルムなどによるドライ工法を展開することで、事業を拡大している。

 電気・電子部品事業では、従来のセンサー販売に加えて、今後のIoT市場の拡大を見据え、同社製品を組み合わせた製品やモジュール製品を開発し、国内外の顧客に提供している。

 14日大引け後に発表した前2019年3月期業績実績が、売上高646億7100万円(前期比1.4%増)、営業利益12億5400万円(同4.5%増)、経常利益14億1800万円(同6.1%増 )、純利益9億5700万円(同16.2%増)に着地。

 今20年3月期業績予想は、売上高655億円(前期比1.3%増)、営業利益11億5000万円(同8.3%減)、経常利益13億6000万円(同4.2%減)、純利益9億円(同6.0%減)を見込む。株主への利益還元の機会を充実させ、株式を継続して保有することを目的として、中間配当と期末配当の年2回実施する方針に変更し、今20年3月期から中間配当を実施するため、配当予想は、第2四半期末10円(同-円)、期末17円(同20円)の年間27円(同7円増)の連続増配を予定している。

 株価は、昨年12月14日につけた上場来高値926円から1月4日につけた上場来安値602円まで調整を挟んで2月5日高値758円と上昇。3月14日安値678円、5月15日安値653円と売り直されている。今20年3月小幅減益予想だが、7円増配予定で今期予想PER7倍台・PBR0.39倍と割安感はあるうえ、配当利回り4.1%と利回り妙味も増す。650円どころは買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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