- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- サンコーテクノは下値切り上げ、20年3月期増収増益・連続増配予想
サンコーテクノは下値切り上げ、20年3月期増収増益・連続増配予想
- 2019/5/22 08:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンコーテクノ<3435>(東2)は建設用あと施工アンカーの最大手で、センサー関連商材の測定器も展開している。民間・公共設備投資が堅調に推移して19年3月期2桁増益・連続増配だった。20年3月期も増収増益・連続増配予想である。株価は3月の戻り高値から反落したが下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。
■ファスニング事業と機能材事業を展開
ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)と、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、各種測定器関連の製造・販売など)を展開している。
19年3月期のセグメント別売上高構成比はファスニング事業が82%、機能材事業が18%、営業利益構成比(連結調整前)はファスニング事業が87%、機能材事業が13%だった。収益面では建設関連のため期後半の構成比が高い特性がある。
ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。
新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上を掲げている。建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。
なお19年4月、成光産業の株式を取得した。
■20年3月期増収増益・連続増配予想
19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比4.3%増の170億25百万円、営業利益が13.6%増の13億17百万円、経常利益が14.7%増の13億33百万円、純利益が18.4%増の9億43百万円だった。配当は2円増配の年間24円(期末一括)とした。連続増配で配当性向は20.8%となる。
ファスニング事業が牽引して計画を上回り、2桁増益だった。ファスニング事業は売上高が8.8%増の139億97百万円、営業利益が9.9%増の18億40百万円だった。金属系あと施工アンカーは微増にとどまったが、低迷していた接着系あと施工アンカーが底打ちし、土木関連中心に完成工事高が増加した。機能材事業は売上高が12.5%減の30億28百万円、営業利益が35.5%減の2億65百万円だった。電動油圧工具関連や電子基板関連は堅調だったが、アルコール検知器が微減となり、FRPシート関連における二重床や防水樹脂の材料販売終了も影響した。
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.5%増の183億円で、営業利益が5.5%増の13億90百万円、経常利益が5.7%増の14億10百万円、純利益が2.3%増の9億65百万円としている。配当予想は2円増配の年間26円(期末一括)としている。連続増配で配当性向は22.0%となる。
民間・公共設備投資が堅調に推移し、インフラ補修・保全や20年東京オリンピック・パラリンピック関連の需要増加などでファスニング事業が牽引する見込みだ。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。
■株価は下値切り上げ
株価は3月の戻り高値1340円から反落したが下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。5月21日の終値は1057円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS118円03銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1477円95銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約92億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)