【編集長の視点】京進は前場の年初来安値から高値引けして反発、14年ぶりの最高純益更新を見直し多彩なテーマ株人気もオン

 京進<4735>(東2)は、前日21日に11円高の1009円と反発し、前場取引時間中につけた年初来安値991円から大きく引き戻して高値引けし、日中値幅は18円に達した。今2019年5月期純利益が14年ぶりの過去最高更新と予想される好業績に加え、新学習要領関連の語学教育強化、働き方改革関連の保育園の積極開園と外国人労働者受け入れ拡大のための日本語教育注力などのテーマ材料が多彩に揃っていることを見直し下げ過ぎ修正が再燃した。今年1月に発表した今期第2四半期(2018年6月~11月期、2Q)の好決算と自己株式立会外買付取引、さらに働き方改革関連法・改正出入国管理法・大学入試改革関連人気もオンして年初来高値1547円まで250円高した急伸相場の再現期待も高めている。


■主力の学習塾事業が好調で働き方改革関連法、改正出入国管理法の関連需要も謳歌

 同社の今5月期業績は、売り上げ193億5900万円(前期比8.0%増)、営業利益5億5000万円(同34.3%増)、経常利益5億8000万円(同27.4%増)、純利益5億9300万円(同20.2%増)と続伸が予想され、純利益は、過去最高の4億9500万円(2005年2月期)を14期ぶりに更新する。学習塾事業は、独自の学習法「リーチングメソッド」の高実績から生徒数増加が続き、語学関連事業は、英会話事業が小学校の英語科目化で好調に推移し、日本語教育事業では日本語学校の留学生が拡大、保育・介護事業は、保育園が京進グループとして2019年4月に73園まで積極開園したことなどが要因となる。

 このうち保育事業では、今年4月1日に働き方改革関連法案が施行されるとともに、子育て支援策も強化され、日本語教育でも同じく4月1日に改正出入国管理法が施行されて外国人労働者の受け入れ枠が拡大されるなどの政策恩恵を受けている。このビジネスチャンスを前に同社は関連のM&Aを積極化させている。今年1月に日本語学校運営のダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)の全株式を取得し、日本語学校は国内10校、海外1校に拡大し、同4月には給食事業を運営のリッチ(大阪市平野区)を子会社化した。この好事業環境に加え、今年4月4日に発表した今期第3四半期(2018年6月~2019年2月期、3Q)累計業績は、続伸して今5月期通期予想業績そのものを大きく上回って着地する高利益進捗率を示しており、業績上ぶれ期待にもつながっている。

■自己株式立会外買付価格1297円割れの売られ過ぎから年初来高値奪回に底上げ再発進

 株価は、今期2Qの好決算と買付価格を1297円とする自己株式立会外買付取引に多彩なテーマ株人気が加わって年初来高値1547円へ250円高した。同高値からは、今期3Q利益が5月期通期予想業績をオーバーしたにもかかわらず通期業績を期初予想の据え置きとしたことで利益確定売りに押され、令和相場入り後の全般相場続落とともに993円安値へ調整し、前日21日取引時間中には瞬間的に年初来安値991円へダメ押しをした。投資採算的にも、PERが今期3Q実績ベースで13倍と割り負け、テクニカル的にも25日移動平均線から4%超のマイナスかい離となお売られ過ぎを示唆しており、まず年初来高値からの調整幅の半値戻し水準に該当するか自己株式立会外取引の買付価格1297円を奪回し、年初来高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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