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クリナップは売られ過ぎ感、20年3月期黒字化予想で収益改善期待
- 2019/5/23 08:49
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。19年3月期は新設住宅着工戸数やリフォーム市場の低迷で赤字だったが、20年3月期は黒字化予想である。収益改善を期待したい。株価は12年来の安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。販売ルートは工務店を主力としている。収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
中期経営計画(18年~20年)ではビジョンに「暮らし価値創造企業Cleanupへの変革」を掲げている。重点施策として、高級・超高級市場への本格参入に向けた商品ラインナップの変革、シェア回復に向けたフラッグシップモデルの刷新、ショールームにおける価値提供の強化、アジア諸国向けステンレスキャビネットの本格展開、新たな販売チャネルとしてのECビジネス立ち上げなどを推進する。
■19年3月期赤字だが20年3月黒字化予想
19年3月期連結業績は、売上高が18年3月期比2.7%減の1044億86百万円、営業利益が4億65百万円の赤字(18年3月期は3億98百万円の黒字)、経常利益が3億76百万円の赤字(同4億18百万円の黒字)、純利益が7億04百万円の赤字(同49百万円の黒字)だった。配当は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。
新設住宅着工戸数やリフォーム市場の低迷で、厨房部門が2.9%減収、浴槽・洗面部門が3.4%減収となり、各利益とも赤字だった。ただし原材料価格の上昇が想定よりも抑制されたことに加えて、販管費削減も寄与して赤字幅は計画よりも縮小した。
20年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比2.4%増の1070億円、営業利益が11億円の黒字(19年3月期は4億65百万円の赤字)、経常利益が11億50百万円の黒字(同3億76百万円の赤字)、純利益が5億50百万円の黒字(同7億04百万円の赤字)としている。配当予想は19年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は133.1%となる。
中高級システムキッチンを中心に売上・利益拡大を図るとしている。収益改善を期待したい。
■株価は売られ過ぎ感
株価は5月22日に500円まで下押した。12年来の安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。5月22日の終値は505円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円03銭で算出)は約34倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1388円62銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約189億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)