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ケンコーマヨネーズは出直り期待、20年3月期増収増益予想
- 2019/5/27 09:00
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。19年3月期は原材料価格高騰や新工場関連費用で減益だったが、20年3月期は増収増益予想である。増収効果や生産効率向上効果で、固定経費増加や新工場関連費用などを吸収する見込みだ。原材料価格の落ち着きも寄与して収益改善を期待したい。株価は安値圏モミ合いから上放れの動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。
■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手
サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。
マヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。ロングライフサラダは業界のパイオニアとして国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。ショップ事業の「Salad Cafe」は百貨店などへの展開を進めている。
19年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類44%、タマゴ類29%、マヨネーズ・ドレッシング類25%、その他2%、分野別売上高構成比は外食28%、CVS(コンビニエンスストア)27%、量販店23%、パン13%、給食5%、その他4%だった。
収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。
■事業領域拡大戦略と生産能力増強を推進
中期経営計画「KENKO Value Action~価値の創造~」では、経営目標値に21年3月期売上高850億円、経常利益46億円率を掲げている。サラダNO.1企業として、市場ニーズに応える商品開発、事業領域の拡大などの戦略を推進する。
目標値達成に向けて生産能力増強も推進し、18年4月ダイエットクック白老が新工場(サラダ・総菜類)を稼働、18年6月関東ダイエットクック神奈川工場(サラダ・総菜類)が稼働、19年2月静岡富士山工場(タマゴ加工品)を増設、19年3月西日本工場(サラダ・総菜類)を増設した。
■20年3月期増収増益予想
19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比1.7%増の739億89百万円、営業利益が25.3%減の31億16百万円、経常利益が24.2%減の31億45百万円、純利益が20.2%減の22億96百万円だった。配当は18年3月期比7円減配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)とした。配当性向は21.5%となる。
売上面では、ダイエットクック白老の新工場や関東ダイエットクック神奈川工場の稼働も寄与して増収だったが、利益面では原材料価格の高騰、新工場立ち上げ関連費用、工場を中心とした人件費の増加などで減益だった。
事業別に見ると、調味料・加工食品事業はタマゴ加工品とマヨネーズ・ドレッシング類が増収だが、ポテトサラダの減少で0.7%減収となり、5.3%減益だった。総菜関連事業は新工場稼働で15.7%増収だが、新工場費用で営業赤字83百万円(18年3月期は8億11百万円の黒字)だった。
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.7%増の760億円、営業利益が5.9%増の33億円、経常利益が4.9%増の33億円、そして純利益が2.3%増の23億50百万円としている。配当予想は1円増配の年間31円(第2四半期末15円、期末16円)で、予想配当性向は21.7%となる。
増収効果や生産効率向上効果で、固定経費増加や新工場関連費用などを吸収する見込みだ。売上高の計画は調味料・加工食品事業が2.1%増の609億51百万円、総菜関連事業が5.5%増の138億29百万円、その他が2.2%増の12億20百万円としている。原材料価格の落ち着きも寄与して収益改善を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月末日現在で1単元(100株)以上~10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。
■株価は出直り期待
株価は安値圏2200円近辺でのモミ合いから上放れの動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。5月24日の終値は2560円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS142円64銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想年間31円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1996円95銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約422億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)