エフティグループは調整一巡期待、20年3月期増収増益予想

 エフティグループ<2763>(JQ)は、法人向け環境関連商品・情報通信機器販売などを展開し、M&Aも積極活用してストック型収益・業容拡大戦略を推進している。19年3月期は計画超の大幅増収増益だった。20年3月期(IFRS任意適用)も増収増益予想(日本基準適用の19年3月期実績との比較)である。株価は軟調展開だが調整一巡して反発を期待したい。

■法人向け環境関連商品が主力、ストック型収益積み上げを推進

 法人事業(中小企業・個人事業主向けOA機器・ビジネスホン・UTM・セキュリティ関連機器などの情報通信サービス、LED照明・空調設備・節水装置などの環境省エネサービス、光回線などのインターネットサービス、電力小売の電力サービス)と、コンシューマ事業(一般消費者向け光回線インターネットサービス、太陽光発電設備・蓄電池等の環境省エネサービス)を展開している。なお19年4月、ドコモショップ北上店・宮古千徳店および西根店の運営会社を変更してドコモショップ運営から撤退した。

 19年3月期のセグメント別(連結調整前)売上高構成比は法人事業77%、コンシューマ事業23%、営業利益構成比は法人事業79%、コンシューマ事業21%だった。

 自社サービスのストック収益(小売電力サービス、節水装置、光回線、ネットセキュリティサービスなど)を重点分野と位置付け、M&A・アライアンスも積極活用してストック収益拡大を推進している。

 19年5月には国内の自社ストックサービス強化の観点から、タイ・フィリピン・インドネシアの連結子会社4社の株式の80%をレカム<3323>に譲渡(19年6月5日予定)すると発表した。また一層の協業関係を強化するため、レカムが実施する第三者割当増資を引き受ける。

■20年3月期(IFRS任意適用)増収増益予想

 19年3月期連結業績は、売上高が18年3月期比11.2%増の458億33百万円、営業利益が17.9%増の56億66百万円、経常利益が18.2%増の56億83百万円、純利益が34.0%増の37億33百万円だった。配当は16円増配の年間58円(第2四半期末25円、期末33円)とした。配当性向は51.0%となる。

 需要が好調に推移し、強化しているストック売上(25%増加の125億円)の伸長、生産性向上、コンシューマ事業の収益改善で計画超の大幅増収増益だった。法人事業は23.3%増収で0.3%減益だった。LED照明が低調だったが、UTM等のネットセキュリティ装置、ネットワークカメラ等のセキュリティ系商品、ビジネスホン、空調設備、自社ブランド「エフエネでんき」の小売電力サービスが好調だった。コンシューマ事業は9.1%減収で2.4倍増益だった。「ひかり速トク」が減少したが太陽光発電設備・蓄電池が好調に推移し、ストック売上増加などで損益が大幅改善した。

 20年3月期連結業績(IFRS任意適用)は、日本基準適用の19年3月期実績との比較で、売上高が4.6%増の480億円、営業利益が5.7%増の60億円、税前利益が5.5%増の60億円、純利益が1.3%増の38億円としている。配当予想は1円増配の年間59円(第2四半期末26円、期末33円)としている。予想配当性向は50.4%となる。

 ストック売上(41%増の180億円の計画)を拡大して増収増益予想である。好業績を期待したい。

■株価は調整一巡期待

 株価は軟調展開だが調整一巡して反発を期待したい。5月28日の終値は1179円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS116円99銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想年間59円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS439円93銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約428億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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