ジェイエスエスは調整一巡、20年3月期増収増益予想

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 ジェイエスエス<6074>(JQ)はスイミングスクールを運営している。19年3月期は計画未達で減益だったが、20年3月期は会員定着率改善などで小幅ながら増収増益予想である。株価は反発力が鈍く、安値圏でモミ合う展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■スイミングスクール運営

 スイミングスクールを運営している。直営と受託で全国展開し、19年3月期末の事業所数は直営63ヶ所、受託21ヶ所、合計84ヶ所(うちコンパクトプール15か所)である。スイミングスクール特化型企業ではトップの施設数を誇っている。

 19年3月期末の会員数は、子供会員が8万6801人(うち選手・育成5727人)、大人会員が1万1601人、合計が9万8402人である。なお育成選手実績として、瀬戸大地選手や渡部香生子選手など多くのオリンピック出場選手を輩出している。

 スクール事業の強みには、フィットネスクラブとの比較で景気に左右され難いという点がある。入会から四泳法習得まで2~3年の安定した在籍が期待され、ベビーからの入会や選手コースへの進級で長期在籍の可能性も高まる。大人会員は高齢者が中心で、生涯スポーツ化も期待される。

 収益拡大に向けた施策として、世界レベルを目指す選手・育成コースの会員数拡大、水泳インストラクター養成講習会開催など人材育成、独自の多段階進級システムや顧客満足度向上による退会防止、会員向けグッズ販売やグループ外スクール向けスイミング用品販売の拡大、水中健康運動器具の開発、キッズ体育の強化、イニシャルコスト・ランニングコストを軽減するコンパクトタイプのスイミングクラブの展開などを推進している。

■20年3月期増収増益予想

 19年3月期非連結業績は、売上高が18年3月期比0.1%増の87億29百万円、営業利益が14.4%減の4億72百万円、経常利益が12.9%減の4億86百万円、純利益が12.3%減の3億18百万円だった。配当は2円50銭増配の年間15円(第2四半期末7円50銭、期末7円50銭)で、配当性向は19.0%となる。

 計画未達で減益での着地となった。新規出店は順調だったが、大人会員減少(子供会員数は0.3%増の8万6801人、大人会員数は5.4%減の1万1601人、合計会員数は0.4%減の9万8402人)などで売上高が伸び悩み、人件費の増加や水光熱費高騰による経費の増加で減益だった。

 20年3月期非連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.4%増の89億42百万円、営業利益が6.9%増の5億04百万円、経常利益が3.2%増の5億01百万円、純利益が0.5%増の3億19百万円としている。配当予想は2円50銭増配の年間17円50銭(第2四半期末8円75銭、期末8円75銭)で、予想配当性向は22.0%となる。

 会員定着率改善、着実な新規出店、商品販売拡大などで、小幅ながら増収増益予想である。収益改善を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日の年2回、1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。保有株式数に応じて優待券を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く、安値圏でモミ合う展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。5月28日の終値は631円、今期予想PER(会社予想のEPS79円49銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は約2.8%、前期実績PBR(前期実績BPS707円73銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約25億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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