インフォコムの「めちゃコミ」事業会社とパピレスが電子コミックの海外展開で合弁新会社

■日本のコミックを世界に紹介、翻訳サポートや配信許諾業務代行など行う

インフォコム<4348>(東1)パピレス<3641>(JQS)は5月29日午後、インフォコムの子会社で電子コミック事業「めちゃコミック」を主事業とする株式会社アムタス(非上場)とパピレスが、電子コミックの翻訳や海外への取次・配信などを行う新合弁会社を7月中に設立すると発表した。

合弁会社はアルド・エージェンシー・グローバル株式会社で、設立時の資本金は5000万円(パピレス66.6%、アムタス33.4%出資)、純資産・総資産とも各々1億円。代表者はパピレスの松井康子社長(写真右)が兼務する。

■日本の電子コミックの海外普及度はまだ低いが一気に広がる素地

29日の会見によると、日本の電子コミック(電子マンガ)の海外での普及状況は、実は、芸術映画やアニメよりも低く、翻訳されて出回っているのは、規模感として30万冊のうち2万冊程度にとどまっているとされる。

しかし、北米や中国をはじめ、世界では、日本の電子コミックを自国の言葉で読みたがっている人が少なくなく、配信許諾に関わる業務代行や翻訳サポート、海外の販売先への取次などをスムーズに行う事業者がお手伝いすれば、海外展開は急激に進む可能性が見えているとした。

■まずはパピレスの台湾、香港、米国の子会社に取次や配信先開拓を行い将来は欧州などにも拡大

インフォコムとパピレスは、2018年前半にインフォコムがパピレスの株式を取得して以降、協業の可能性を検討し、業務提携の協議を続けてきた。パピレスは、すでに米国、台湾、香港など海外に子会社を持ち、電子書籍の配信や卸売りを行っている。

7月に設立する新会社アルド・エージェンシー・グローバル株式会社(AAG社)は、配信地域の文化や習慣に合わせた作品のローカライズや翻訳、海外配信先の確保、支払いシステムの提供など、出版社が海外でコンテンツを配信する際に必要なほぼすべての業務を代行する。

設立当初は、パピレスの台湾、香港、米国の子会社へ取次事業を行うと同時に、台湾・中国・北米での配信先となる電子書籍事業者の開拓を行う。将来的には、ヨーロッパやその他のアジア地域でも展開することを計画し、海外の読者へ日本のコミックを届けられるよう出版社を支援していくとした。(HC)

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