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松田産業は反発の動き、20年3月期利益横ばい予想だが増配を評価
- 2019/6/3 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。19年3月期は利益横ばいだったが増配とした。20年3月期も利益横ばい予想だが増配としている。これを好感して株価は反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開
貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。19年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業64%、食品関連事業36%、営業利益構成比は貴金属関連事業70%、食品関連事業30%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。
貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。
産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。
■20年3月期利益横ばい予想だが増配
19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比9.5%増の2083億38百万円、営業利益が1.4%増の49億48百万円、経常利益が0.9%減の50億94百万円、純利益が2.0%減の33億91百万円だった。配当は2円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)とした。配当性向は23.3%である。
貴金属関連事業は10.2%増収・1.1%増益だった。半導体・電子デバイスの生産が減速して厳しい状況だったが、微増益を確保した。食品関連事業は8.4%増収・2.3%増益だった。水産品、畜産品、農産品とも販売数量が増加し、微増益を確保した。
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.0%減の2000億円、営業利益が1.0%増の50億円、経常利益が0.1%増の51億円、純利益が1.7%増の34億50百万円としている。配当は4円増配の年間34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。予想配当性向は26.0%となる。
セグメント別には、貴金属関連事業は売上高が9.6%減の1200億円で営業利益が1.3%減の34億円、食品関連事業は売上高が5.9%増の800億円で営業利益が6.4%増の16億円としている。
■22年3月期営業利益55億円目標
前中期経営計画(16年度~18年度)の目標値(19年3月期売上高2000億円、営業利益40億円、営業利益率2.0%)を1期前倒しで達成した。
新中期経営計画(19年度~21年度)の目標値は22年3月期売上高2200億円、営業利益55億円、営業利益率2.5%、ROE6.0%としている。
貴金属関連事業では、基幹事業の基盤強化、資源循環ビジネスをはじめとする顧客価値提案強化と営業体制整備、自動車関連市場・化学関連市場・海外市場の拡大、E-スクラップ・高機能材料・LiBリサイクル等の事業領域拡大を推進する。食品関連事業では、基幹事業の基盤強化、強い商品づくりのための開発・品質保証・生産管理支援機能強化、顧客ニーズに応じた商品ラインナップ拡大、グローバル展開加速を推進する。
■株主優待制度は毎年3月末の継続1年以上保有株主が対象
株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。
■株価は反発の動き
株価は5月10日の安値1309円から反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。5月31日の終値は1450円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS131円01銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2236円35銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約419億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)