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スターティアホールディングスは20年3月期減益予想だが売り一巡
- 2019/6/6 09:08
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
スターティアホールディングス<3393>(東1)はデジタルマーケティング関連事業とITインフラ関連事業を主力としている。19年3月期は計画超の大幅営業増益だったが、20年3月期は先行投資で減益予想としている。これを嫌気する形で株価は安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。
■デジタルマーケティング関連とITインフラ関連が主力
18年4月スターティアが持株会社に移行した。19年3月期セグメント別売上構成比は、デジタルマーケティング関連事業17%、ITインフラ関連事業79%、ビジネスアプリケーション関連事業3%、CVC関連事業0%、海外関連事業1%、その他事業0%である。ストック売上比率はデジタルマーケティング関連事業58%、ITインフラ関連事業37%だった。
デジタルマーケティング関連事業は、AR(拡張現実)作成ソフトCOCOAR、MA(マーケティングオートメーション)ツールBowNow、電子ブック作成ソフトActiBook、アプリ制作ソフトApp Goose、商品データベース作成ソフトPlusdbなどのアプリケーション開発・販売を行っている。統合型デジタルマーケティングサービスCloud Circusの拡販やラインナップ充実を推進している。18年12月にはアジアクエストに出資(20%未満)して資本業務提携した。
ITインフラ関連事業は、MFP・ビジネスホン・UTM・ネットワーク機器など情報通信機器の販売・施工・保守、およびサーバ構築から運用保守までのシステムインテグレーションを行っている。18年11月には空調、新電力サービスを中心とする環境関連サービスを開始した。19年2月にはサガスのOA機器関連事業、19年3月には東和オフィスマシンの一部事業を譲り受けた。
ビジネスアプリケーション関連事業はクラウドストレージサービス、RPA製品導入・コンサルティングを行っている。CVC関連事業はキャピタルゲインを目的とした投資事業を行っている。海外関連事業は中国とシンガポールの現地法人が、日中間ブロードバンドインターネット提供、クラウド構築運用支援などを展開している。
中期成長イメージとして22年3月期営業利益10億円を目指している。サブスクリプション型のビジネスモデルを拡大し、安定成長できる収益基盤を構築する。
■20年3月期は先行投資で減益予想
19年3月期連結業績は、売上高が18年3月期比7.7%増の119億07百万円、営業利益が44.4%増の5億17百万円、経常利益が52.3%増の5億73百万円、純利益が47.3%減の3億23百万円だった。配当は持株会社移行記念配当3円を落として、3円減配の年間9円(第2四半期末3円、期末6円)とした。配当性向は28.0%である。
純利益は特別利益が一巡して減益だが、需要が高水準に推移し、売上構成変化や販管費抑制も寄与して計画超の大幅営業増益だった。
デジタルマーケティング関連事業は12.4%増収、21.7%増益だった。AR作成ソフトCOCOARやMAツールBowNowなど主力商材が好調だった。ITインフラ関連事業は6.4%増収、29.4%減益だった。ネットワーク機器の販売が好調だが、人件費増加などで減益だった。ビジネスアプリケーション関連事業はプロモーションを強化して17.3%増収だが赤字が拡大した。
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.7%増の128億22百万円だが、営業利益が2.2%減の5億06百万円、経常利益が12.1%減の5億04百万円、純利益が10.3%減の2億90百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間9円(第2四半期末3円、期末6円)としている。予想配当性向は31.8%となる。
売上面は順調に拡大(計画はデジタルマーケティング関連事業16.2%増収、ITインフラ関連事業4.1%増収など)するが、M&Aなどで拡大した基盤に対して人材強化やシステムへの先行投資を実行するため各利益は減益予想としている。中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は売り一巡
株価は6月3日に504円まで下押した。20年3月期減益予想を嫌気する形で安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。6月5日の終値は528円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS28円32銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想年間9円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS473円95銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約54億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)