【株式評論家の視点】CRI・ミドルウェアは26週線抜け近い、今期2割増益

株式評論家の視点

CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、3月27日につけた年初来高値2400円に対し2350円前後で堅調だ。まもなく26週線上抜きが見込める動きとなっている。

同社は、昨年11月27日にマザーズに新規上場。音声・映像・ファイルシステムに関する研究開発およびミドルウェア製品としての販売・サポート(ゲーム分野、遊技機分野、組込み分野)、スマートデバイスを活用した情報システムの開発・提供(医療・ヘルスケア分野)を行っている。

とくに、スマートフォンや各種ゲーム機等の多様なデバイスに対応したミドルウェアを提供していく「マルチプラットフォーム」戦略を軸に、音声や映像による豊かな演出表現を用いたデジタルコンテンツを楽しみたいという顧客のニーズに応えるべく、研究開発に取り組んでいる。

今9月期・第2四半期業績予想は、売上高が6億円、営業利益が1億1000万円、経常利益が1億0500万円、純利益が6600万円を見込んでいる。第1四半期において、遊技機分野の売上が当初予想を下回ったものの、スマートフォンゲーム採用の伸びが売上増に貢献。外注費等の圧縮により、営業利益、経常利益、四半期純利益は予想を上回り順調に推移。第2四半期についても、業績は堅調に推移している中、人材採用、育成関連の投資時期の見直し、諸経費の抑制により、営業利益、経常利益、四半期純利益は、当初予想を上回る見通し。

通期業績予想は、売上高が12億8600万円(前期比12.3%増)、営業利益が2億5900万円(同20.4%増)、経常利益が2億4800万円(同11.8%増)、純利益が1億5800万円(同10.2%増)を見込んでいる。

スマートフォン向けを中心としたゲーム分野の売上拡大が見込まれる一方で、遊技機分野の受注環境が厳しくなることを想定しており、通期業績予想を据え置いている。

株価は、主力ソフト「CRIWARE」がゲームの2800タイトルに採用されてきた実績などを評価され昨年12月2日に高値6773.3円と買い進まれた後、4月6日安値2106円まで約7割調整。3月末の3分割実施による需給悪化懸念の高まりに伴う処分売りが一巡し、値ごろ感から買いが入っている。クリニック向け予約システムの開発等、成長が見込まれる医療・ヘルスケアの新分野への展開が注目される。第2四半期業績予想を上方修正しており、5月8日に発表が予定される第3四半期決算に期待が持てる。上値抵抗線である25日移動平均線を突破できれば、本格的なリバウンド相場入りも予想される。(株式評論家・信濃川)

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