【編集長の視点】グッドスピードは新規出店による業績上ぶれ期待を高め直近IPO株買いが膨らみ急続伸
- 2019/6/12 08:15
- 編集長の視点
グッドスピード<7676>(東マ)は、前日11日に485円高の3680円と急続伸して引け、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第3位に躍り出た。同社株は、今年4月25日に新規株式公開(IPO)され、5月13日に発表した初決算の今9月期第2四半期(2018年10月~2019年3月期、2Q)累計業績が、IPO時予想の今9月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し、業績上ぶれ期待を高め直近IPO株買いが増勢となった。今年8月3日に中古SUV専門店の「グッドスピードMEGA SUV 知立店」(愛知県知立市)を新規オープンすることも、サポート材料視されている。
■2Q純利益は通期対比で80%の高進捗を示し8月オープンの知立店も上乗せ
同社の今期2Q累計業績は、売り上げ148億700万円、営業利益1億9600万円、経常利益1億5400万円、純利益1億200万円で着地し、2Q累計決算は初作成となるため前年同期比較はないが、9月通期予想業績に対する利益進捗率は、営業利益が61%、経常利益が70%、純利益が80%と目安の50%を大きく上回った。同社は「SUV販売台数日本一」を目指し、東海地方でドミナント方式による専門店出店を積極的に進め、昨年12月に同社初の自動車買取店「大府有松インター買取店」、今年2月に「MEGA 大垣店」を新規オープン、小売販売台数が4478台となり、自動車買取や整備・鈑金、レンタルサービス、保険代理店サービスなども強化したことが寄与した。
今9月期通期業績は、IPO時予想に変更はなく売り上げ256億4000万円(前期比12.7%増)、営業利益3億2000万円(同59.6%増)、経常利益2億2000万円(同47.4%増)、純利益1億2600万円(同38.0%増)を見込み、配当も、年間配当10円と安定継続を予定している。なお8月3日オープンの「MEGA SUV 知立店」は、MECA専門店として3店舗目、全社では22店舗目の新規出店で、在庫台数は国産車SUV、アメリカンSUVを含め史上最大の約240台に達し、業績押し上げ期待を高めている。
■上場来高値から直近安値への調整幅の半値戻しをクリアし全値戻しへ拍車
株価は、公開価格1400円でIPOされ1750円で初値をつけ1960円まで買い進まれ、いったん上場来安値1510円へ下ぶれたが、今期2Q累計業績の高利益進捗率をテコに3050円まで上昇し、「知立店」オープン先取りで上場来高値4320円まで買い上げられ公開価格比3.08倍の大化けとなった。最高値後は、世界同時株安の影響で2900円まで再調整したが、東海地方4県のSUV中古車販売台数(昨年2018年)の販売台数調査で第1位の調査結果が出たことに反応して3740円までリバウンドした。足元では、上場来高値から上場来高値までの上昇幅の半値戻し水準で三角保ち合いを続けていたが、煮詰まったとして上放れた。この前日11日の急伸で上場来高値から直近安値までの調整幅の半値戻しをクリアしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」に拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)