【株式評論家の視点】イグニスは新規ジャンルへチャレンジ、52週移動平均線を突破出来るか注目

株式評論家の視点

 イグニス<3689>(東マ)は、同社グループは「世界にインパクトを与えなければ、気がすまない」という経営理念及び「次のあたりまえを創る。何度でも」というミッションのもと、インターネット、スマートフォン等を通じたさまざまなビジネス領域において、多くのユーザーに支持されるサービスの企画・制作・運営を行っている。

 同社グループは、スマートフォン向けアプリの企画・開発・運営を主な事業領域として、ソーシャルゲーム「ぼくとドラゴン」やアクションRPG「でみめん」、ブラウザゲーム「猫とドラゴン」、恋愛・婚活マッチングサービス「with」を展開している。また、Virtual Live Platform 「INSPIX」やフードトラックプラットフォーム「TLUNCH」、ハードウェア、及びソフトウェアの設計・製造・販売を行っているロビットにおける「mornin’ plus」など、その時流に合わせたサービスを多面展開している。今後もユーザーの潜在的なニーズを的確に捉え、新たなジャンルに挑戦することで、『次のあたりまえ』となるサービスを創り続けていくことを目指している。

 新規ジャンルへのチャレンジとして、今後、サービスの普及拡大と急成長が見込まれるVR(Virtual Reality:仮想現実)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)等の最先端技術の商業化を目指しており、特にVRとAIを活用したビジネスを積極的投資事業と位置付け、早期収益化に向けて積極的に経営資源を投入している。

 今2019年9月期第2四半期業績実績は、売上高27億1500万円(前年同期比9.9%増)、営業損益5億1400万円の赤字(同6億6600万円の赤字)、経常損益5億5900万円の赤字(同6億7400万円の赤字)、最終損益4億5400万円(同8億5500万円の赤字)の赤字に着地。

 今19年9月期業績予想は、売上高60億円(前期比23.1%増)、営業損益3000万円の黒字(同25億3200万円の赤字)、経常損益1億円の黒字(同25億7100万円の赤字)、最終損益500万円の黒字(同26億5100万円の赤字)を見込むが、5月29日大引け後に第3四半期において、5億6900万円の投資有価証券売却益が発生したと発表、第2四半期に計上した投資有価証券売却益と併せ、投資有価証券売却益8億9200万円を特別利益として計上する予定。

 株価は、2016年3高値4030円から19年1月30日につけた年初来安値1014円まで調整を挟んで4月22日に年初来高値1318円と買われた後、1050円前後を下値にモミ合っている。6月11日に同社子会社のパルス株式会社と、順天堂大学が共同で進めている『VRを用いた慢性疼痛緩和の臨床研究』について、医療用VRシステムとして共同出願したと発表。サービス名称「うららかVR」をパイロット提供開始するとしており、新規ジャンルへのチャレンジが注目される。期待先行ながら、上値抵抗線の52週移動平均線を突破出来るか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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