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エイジアは調整一巡、20年3月期大幅増収増益・連続増配予想
- 2019/6/18 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。中期成長に向けてメッセージ配信最適化ソリューションを中心に、新製品・サービス開発を強化している。20年3月期は大幅増収増益・連続増配予想である。なお株主優待制度を変更し、19年9月30日基準から適用(詳細は会社HP参照)する。株価は安値圏だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力
自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、コンサルティングやシステム受託開発も展開している。18年8月ベビー服ECサイト「べびちゅ」運営の子会社ままちゅを設立し、18年9月ハモンズからベビー服ECサイト運営事業を譲り受けた。
19年3月期のセグメント別売上高構成比はアプリケーション事業75%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%、EC事業6%である。
メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心とするe-CRMアプリケーションシリーズである。17年9月にはWEBCASシリーズ導入企業が4000社を突破している。
収益面ではシステム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。
■メッセージ配信最適化ソリューションなど新製品・サービス開発強化
中期経営計画では目標値として、20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。
18年3月パーソナル人工知能「SENSY」開発の慶応大学発AIベンチャーのSENSY社と業務提携、18年5月モバイルソリューション製品開発・販売のAOSモバイルと業務提携、18年7月乗り換え案内サービス「駅すぱあと」のヴァル研究所と業務提携した。18年12月にはWebアンケートシステム「WEBCAS formulator」と、GMOリサーチのインターネットリサーチ用パネル「Japan Cloud Panel」を連携させたインターネットリサーチサービスを開始した。
なお近年はマーケティングオートメーションの開発に注力してきたが、得意領域の配信性能に対するニーズが強いことが判明したため、18年9月に世界有数のエンゲージメントプラットフォーム「Marketo(マルケト)」と連携したメール配信エンジンの提供を開始した。そして今後の製品開発戦略を「クロスチャネルマーケティングプラットフォーム」から、人工知能をはじめとするデータ分析ソリューションと連携する「メッセージ配信最適化ソリューション」に変更した。
■20年3月期大幅増収増益・連続増配予想
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比14.5%増の19億50百万円、営業利益が20.0%増の4億46百万円、経常利益が20.1%増の4億45百万円、純利益が2.3倍の3億円としている。配当予想は3円増配の年間23円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は30.3%となる。
なお第1四半期は人材採用費が集中して減益見込みだが、通期ベースではクラウドサービスが大幅伸長して大幅増収増益予想としている。各利益は中期経営計画の20年3月期目標値を下回るが、好業績を期待したい。
■株主優待制度を変更
株主優待制度について6月17日に変更を発表した。従来は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象としてクオカード1000円分を贈呈していたが、中長期保有株主を増やすことを目的としてエイジア・プレミアム優待倶楽部を新設する。
新制度は毎年3月31日および9月30日時点で、2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈する。株主優待ポイントは、株主限定特設インターネットサイト(エイジア・プレミアム優待倶楽部)で食品、電化製品、ギフトなどに交換できる。19年9月30日基準から適用(詳細は会社HP参照)する。
■株価は調整一巡
株価は安値圏だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。6月17日の終値は1198円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS74円61銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS342円95銭で算出)は約3.5倍、時価総額は約53億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)