【株式評論家の視点】香陵住販はKASUMICの子会社化が収益に寄与、待ち伏せ買い好機

株式評論家の視点

 香陵住販<3495>(JQS)は、2018年9月13日に東京証券取引所JASDAQに上場。同社は、創業から37年、茨城県水戸市を中心に地域に根ざした展開はもちろん、総合不動産会社として不動産売買や賃貸管理をはじめ、建物のリフォーム・リノベーション、土地の有効活用、そしてマンション・アパートの経営コンサルティングなど、幾つもの事業の「柱」を持っていることを強みとしている。

 賃貸仲介事業では、賃貸仲介、マンスリーマンション、不動産売上高、仲介事業収益トランクルーム、高齢者住宅を取り扱っている。不動産売買事業では、売買仲介、不動産買取・販売、宅地分譲、自社開発による収益不動産販売を行っている。賃貸管理事業では、賃貸管理、リフォーム提案、空き家管理、サブリースを行っている。収益不動産事業では、収益不動産コンサルティング、コインパーキング、コインランドリー、太陽光発電を行っている。

 今19年9月期第2四半期業績実績は、売上高33億7400万円、営業利益3億5700万円、経常利益3億4800万円、純利益2億3100万円に着地。概ね期初計画通りの着地。売上高は、不動産流通において「レーガベーネ南町」全60戸を一括売却したことが寄与し、営業利益は第2四半期計画に対して3.7%上振れ、年計画に対する進捗率は63.9%と順調に推移している。

 今19年9月期業績予想は、売上高58億8200万円(前期比10.4%増)、営業利益5億5900万円(同3.6%増)、経常利益5億4000万円(同7.1%増)、純利益3億5900万円(同9.9%増)の連続最高益更新を見込む。年間配当は38円(第2四半期末19円、期末19円)の4円増配を予定している。

 株価は、2018年9月13日につけた上場来高値1977円から同12月25日につけた上場来安値1032円まで調整を挟んで19年2月19日に年初来高値1419円と上昇。5月15日安値1170円と売られた後、モミ合っている。同社は、賃貸管理戸数の拡大及び、茨城県つくばエリアでの店舗展開の強化と茨城県土浦市への出店を今後の事業戦略と位置付けていたが、3月に株式会社KASUMICを子会社化。人口増の著しいTX沿線や同社が未進出の土浦エリアに出店、実績があるKASUMICの業績が収益に貢献する見通し。第2四半期業績も計画を上回り通期業績予想の上振れが視野に入ることから、8月上旬に予定される第3四半期決算の発表は注目される。今期予想PER4倍台 ・PBR0.56倍と割安感があり、配当利回り3.1%と利回り妙味もソコソコあり、下押す場面は、待ち伏せ買い好機となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

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