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フォーカスシステムズは調整一巡、20年3月期微増益予想だが保守的
- 2019/6/20 09:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。20年3月期は微増益にとどまる予想だが、やや保守的だろう。収益拡大を期待したい。株価は直近安値圏から切り返しの動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。また財務面では実質無借金経営である。
19年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。顧客別にはNTTデータ<9613>関連、日本IBM関連、TISインテック関連、ソフトバンク<9984>関連、沖電気<6703>関連を主力としている。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
18年5月一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)とアライアンスパートナー契約を締結、JPPVR社と共同でVR・AI・ブロックチェーン等の先端技術の研究開発を行う新会社VRaiB社を設立した。18年11月にはDPAおよび茨城県笠間市とドローン活用による連携協力協定を締結した。またFRONTEO<2158>の人工知能による特許調査・分析システムの新製品「Pantent Explorer 19」の開発に協力した。
19年2月にはRPA分野で米UiPath社の日本法人と開発リソースパートナー契約を締結、19年3月には米MarkLogic社とパートナー契約を締結、筑波大学と三次電池の実装に関する共同研究を開始した。19年4月には筑波技術大学と聴覚障害者の職域拡大や環境改善を目指し、複数人との会話におけるリアルタイム字幕表示に関して共同研究を行うと発表した。
■20年3月期微増益予想だが保守的
20年3月期の非連結業績予想は、売上高が19年3月期比1.6%増の218億円、営業利益が3.8%増の14億20百万円、経常利益が3.2%増の14億20百万円、純利益が6.4%増の9億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間20円(期末一括)としている。予想配当性向は32.4%となる。
人材確保・育成に向けた採用・教育コストの増加などで微増益にとどまる予想だが、やや保守的だろう。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は3月末の株主対象
株主優待制度(2月8日に一部変更を発表)は、毎年3月末現在の株主(200株以上)に対して贈呈するポイントを変更(詳細は会社HP参照)した。
■株価は調整一巡
株価は直近安値圏800円近辺から切り返しの動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月19日の終値は873円、今期予想PER(会社予想のEPS61円81銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約2.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS605円04銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約142億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)