【株式評論家の視点】ツナググループHDは外国人雇用の「登録支援機関」に認定、底値固めとなるか注目
- 2019/6/21 07:29
- 株式評論家の視点
ツナググループ・ホールディングス<6551>(東マ)は、2017年6月30日に東京証券取引所マザーズに上場。同社グループは、「採用市場におけるインフラ企業を目指す」というビジョンのもと、HRマネジメント事業、メディア&テクノロジー事業、スタッフィング事業の3つの事業セグメントをHD(純粋持株会社)制で、事業運営している。
HRマネジメント事業では、集客から採用、定着化までのワンストップな人材アウトソーシング及びツールの提供を行っている。
メディア&テクノロジー事業では、カテゴリーにフォーカスした求人マッチングサービスの提供、HR-TECHサービスの提供を行っている。
スタッフィング事業では、コンビニ派遣等、販売流通サービス領域を中心とした人材派遣/日々紹介を行っている。
昨年12月に締結した夢の街創造委員会株式会社との業務提携が本年3月にスタート、RPO事業の収益改善のために、昨年10月から開発及びフィジビリティを行ってきたchatbot等を活用したRPOパッケージサービス『とれロボ』を本年4月にリリース、本同1月に業務提携を行った株式会社シーアールイーと合弁で、倉庫業向けの派遣の取次サービスを行う株式会社倉庫人材派遣センターを同6月に設立するなど、従前より準備を進めてきた施策がようやく始動。また、6月18日に同社の連結子会社で、国内外のベトナム人就職支援を展開する株式会社asegonia(本社:東京都千代田区/代表取締役:井上義設)が、在留資格「特定技能」の外国人雇用における「登録支援機関」として法務省の外局である出入国在留管理庁長官の登録認定を受けたと発表しており、今後の展開は注目される。
今2019年9月期第2四半期業績実績は、売上高45億6500万円(前年同期比9.8%増)、営業利益8500万円(同30.9%減)、経常利益9000万円(同35.1%減)、純利益1500万円(同72.3%減)に着地。売上高は、HRマネジメント事業で、前年実績のあるイベント運営受託業務を失注、コンビニ店舗での販売不振などによる減少したが、メディア&テクノロジー事業で、「ダイレクトマッチング」をはじめとする新規サービスや、スタッフィング事業で、販売流通サービス領域向けの派遣事業が、前年同期比で大きく伸びた。利益面では、前期からの課題であった派遣事業においては、構造改革の進行により、損失が減少したものの、RPO事業の収益性改善効果が下半期以 降になるほか、M&Aによるのれん負担の増加等により、減益となった。
今19年9月期業績予想は、売上高100億円(前期比15.4%増)、営業利益2億5000万円(同7.8%増)、経常利益2億9000万円(同16.7%増)、純利益1億2500万円(同27.0%増)を見込む。年間配当予想は、期末一括2円継続を予定している。
株価は、3月14日につけた年初来の高値759円から6月4日につけた年初来の安値486円まで調整した後、したことを材料視され、同18日高値613円と買われたが、9か月移動平均線を上値に上げ一服となっている。今19年第2四半期は、M&Aによるのれん負担の増加等により、減益となっているが、派遣事業では構造改革が進行しており、来20年9月期は増益に転じる可能性が高く、ここから底値固めとなるか注目したい。(株式評論家・信濃川)