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ケイアイスター不動産は反発の動き、20年3月期増収増益予想
- 2019/6/24 09:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ケイアイスター不動産<3465>(東1)は首都圏中心に戸建分譲などの不動産事業を展開し、M&A・アライアンスも積極活用して「不動産×IT」を推進している。20年3月期増収増益予想である。そして6月4日にはIT成長戦略を発表している。中期的に収益拡大を期待したい。株価は5月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。
■戸建分譲や注文住宅などの不動産事業
首都圏中心に1次取得層向けの戸建分譲や注文住宅などの不動産事業を展開している。分譲住宅は「デザインのケイアイ」を標榜し、住宅ローンが家賃以下となる販売価格設定で「高品質だけど低価格」の住宅を提供している。
販売促進に向けて不動産仲介会社の組織化を図り、17年2月「KEIAI.NET」をスタートさせた。順次エリアを拡大させて加盟店数は19年3月期末に207となった。AIによる仲介会社向け商談サポートシステムを導入し、中期的に不動産ネットワークにおける加盟店数全国NO.1を目指す方針だ。
19年3月期の売上構成比は、分譲住宅事業71%、注文住宅事業1%、中古住宅事業4%、よかタウン事業(子会社よかタウンが分譲住宅・注文住宅)12%、旭ハウジング事業(子会社旭ハウジングが神奈川県中心に分譲住宅)5%、フレスコ事業(18年8月連結子会社化したフレスコおよびフレスコの子会社おゆみ野住宅が千葉県中心に注文住宅)3%、建新事業(19年1月持分法適用関連会社の建新の株式を追加取得して連結子会社化)3%、その他1%だった。
19年3月期の販売棟数は、分譲住宅事業(土地販売含む)が2757棟、注文住宅事業が108棟、中古住宅事業が137棟、よかタウン事業が190棟、旭ハウジング事業が139棟、フレスコ事業が注文住宅84棟、土地販売47区画、分譲住宅34棟、建新事業が注文住宅48棟、土地販売31区画、分譲住宅21棟だった。
18年12月には海外展開への足掛かりとして、米国ハワイ州ホノルルにて不動産業を展開するLLHR社と業務提携した。19年4月には千葉県柏市中心に不動産売買・仲介を行うBRエステートを子会社化した。
■M&A・アライアンスを積極活用して「不動産×IT」推進
M&A・アライアンスを積極活用して「不動産×IT」を推進している。18年4月IoT家具・建具等の木工製品を製造するKAMARQ(シンガポール)と戦略的資本業務提携、18年6月スマートセキュリティソリューション事業のSecualと戦略的資本業務提携、18年11月工期短縮・生産性向上に向けてエスクロー・エージェント・ジャパン<6093>の連結子会社ネグプランと業務提携、19年6月KAMARQの子会社でIoT蘭連システム開発のカマルクX(鹿児島県)とIoT住宅向けセンサーおよびセンシング技術の共同開発で合意した。
なお19年6月にはIT成長戦略を発表している。商品力向上による付加価値創造と競争力強化、AIやRPAなどを活用したデータドリブン経営による在庫回転率や生産性向上および利益・財務体質改善、住宅分譲の既存フロービジネス強化とストック型ビジネスでの新たな収益構造構築、IT施策のグループ・加盟店への横展開およびシナジー拡大、次世代不動産ポータルサイト開発による加盟店への住宅購入見込客送客強化を推進する。
■20年3月期増収増益予想
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比14.4%増の1180億円、営業利益が7.6%増の64億円、経常利益が5.7%増の61億円、純利益が9.8%増の38億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間84円(第2四半期末42円、期末42円)で、予想配当性向は31.4%となる。
内部体制強化に向けた積極的なIT投資で販管費が増加するが、積極的な事業展開で増収増益予想である。消費増税の影響、生産性向上や内部体制強化のためのIT投資などで、成長の踊り場として増益率は小幅見込みだが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点で1単元以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している。
■株価は反発の動き
株価は5月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月21日の終値は1599円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS267円77銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間84円で算出)は約5.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1100円60銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約228億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)