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巴工業は調整一巡、19年10月期微減益予想だが上振れ余地
- 2019/7/1 08:30
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。19年10月期微減益予想だが、第2四半期累計が大幅増益・高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は3月の年初来高値から上値を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
18年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、営業利益構成比は機械製造販売事業25%、化学工業製品販売事業75%だった。また地域別売上構成比は日本80%、アジア17%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■19年10月期微減益予想だが上振れ余地
19年10月期連結業績予想(5月31日に売上高を下方修正だが、各利益は据え置き)は、売上高が18年10月期比0.4%減の422億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.5%減の23億円、純利益が0.9%減の15億円としている。配当予想は18年10月期と同額の年間47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)で、予想配当性向は31.3%となる。
第2四半期累計は売上高が前年同期比5.8%増の221億36百万円、営業利益が28.9%増の17億円、経常利益が27.3%増の17億13百万円、純利益が29.5%増の11億51百万円だった。機械製造販売が牽引して大幅増益だった。
機械製造販売(26.9%増収・2.7倍増益)は国内民需向けの好調や収益性の良い海外向け部品の増収などで大幅増収増益だった。化学工業製品販売(1.2%減収・21.6%減益)は電子材料分野の半導体製造用途向け搬送用商材などの販売減少で低調だった。
通期は、機械製造販売における国内官需や海外向け案件の一部失注・繰り延べ、化学工業製品販売における半導体関連の需要減速で売上高が期初計画を下回るが、機械製造販売における国内民需向け増収効果や、収益性の良い海外向け部品の増収などで吸収する見込みだ。
第2四半期累計の進捗率は売上高52.5%、営業利益73.9%である。第2四半期累計が大幅増益・高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は調整一巡
株価は3月の年初来高値2570円から上値を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。6月28日の終値は2329円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS150円33銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間47円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2793円69銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約245億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)