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インフォコムは上値試す、20年3月期2桁営業増益・連続増配予想
- 2019/7/2 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(東1)は、ITサービスや電子コミック配信サービスを主力として、IoT領域などへの事業拡大も推進している。20年3月期2桁営業増益・増配予想である。株価は水準を切り上げて18年12月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお7月30日に第1四半期決算発表を予定している。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、RPAとAIを活用したERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安否確認サービスなどのサービスビジネス事業)と、一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス「めちゃコミック」、女性向け・音楽系デジタルコンテンツ提供)を展開している。
19年3月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比はITサービス47%、ネットビジネス53%、営業利益構成比はITサービス36%、ネットビジネス64%である。電子コミック配信サービスの拡大でネットビジネスが利益柱に成長した。なお収益面ではITサービス事業は年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■電子コミックとヘルスケアで成長加速
中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を成長の追求、および成長を支える経営基盤の継続強化としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には、20年3月期売上高600億円~800億円(SI・サービス160億円、ヘルスケア140億円、電子コミック300億円、およびM&A200億円)、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
18年3月には電子書籍事業大手パピレス<3641>の株式9.83%を取得、18年6月にはAI与信エンジン搭載の通信販売事業者向け後払い決済与信サービス「at score」を発表した。
19年5月にはアムタスが、韓国で電子コミック配信サービスを展開するピーナトゥーンを子会社化した。海外市場開拓を本格化する。
■20年3月期2桁営業増益・連続増配予想
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比10.2%増の570億円、営業利益が13.2%増の78億円、経常利益が13.5%増の78億円、純利益が8.7%増の52億円としている。配当予想は19年3月1日付株式2分割遡及修正後で7円増配の年間29円(第2四半期末10円、期末19円)としている。連続増配で予想配当性向は30.5%となる。
ネットビジネスの電子コミック配信サービスの好調が牽引し、ITサービスにおいてもヘルスケア事業が順調に推移する見込みだ。セグメント別計画は、ITサービスの売上高が3.2%増の250億円で営業利益が8.6%増の27億円、ネットビジネスの売上高が16.4%増の320億円(電子コミック配信サービスが19.5%増の318.7億円)で営業利益が16.1%増の51億円としている。
電子コミック配信サービスはTV-CMを含めてプロモーションを強化し、韓国のピーナトゥーンを子会社化して海外市場開拓を本格化する。ヘルスケア事業は病院向けサービスや介護分野サービスを強化する。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。
■株価は上値試す
株価(18年11月28日付でJASDAQから東証1部に市場変更、19年3月1日付で株式2分割)は、水準を切り上げて18年12月の上場来高値2535円に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月1日の終値は2485円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS95円07銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想年間29円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS595円05銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約1431億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)