【編集長の視点】安江工務店は商い出来ずもリフォーム相談会のイベント効果でシェア拡大を期待して下値買い継続

 安江工務店<1439>(JQS、名2)は、前日3日に商いが成立しなかった。日経平均株価が、円高・ドル安の再燃で116円安と反落し、日経ジャスダック平均株価も5営業日ぶりに反落したことから、同社株も様子見ムードとなった。ただ下値には買い物が続いており、今年6月29日以来、愛知県内で相次いで夏のリフォーム相談会や水まわり相談会を開催予定にあり、このイベント効果で愛知県を地盤とする同社の住宅リフォーム事業のシェア拡大が期待されるとして割り負け放置が意識されている。テクニカル的にも、2017年2月の新規株式公開(IPO)後につけた上場来高値2580円から2018年12月に上場来安値856円まで調整し、大底打ちのアノマリー指標とされる「半値八掛けニ割引き」水準をほぼクリアしたことから、大出直りに転じたとして買い材料視されている。


■愛知県内の競争優位性を高めて関連売り上げは3倍超の高成長も

 同社の住宅リフォーム事業は、全売り上げの70%を占める主力事業で、愛知県に展開する12店舗をベースにリフォーム専業会社として市場深耕・拡大を続けている。このため6月以降も、6月29日から6月30日まで一宮スポーツ文化センターで開催した夏のリフォーム相談会に続いて、7月13日から7月14日までTOTO岡崎ショールームで開催予定の水まわり相談会まで積極的にイベントを推進している。愛知県の2017年の住宅リフォーム市場は、4403億円と都道府県別の全国で3番目に大きく、同社の市場シェアは、2017年で0.7%だが、こうしたイベント効果で全国トップレベルの2.0%まで拡大が可能で、つれて関連売り上げも29億円から3倍超の88億円へ高成長するとも見込まれている。

 足元の今2019年12月期業績も順調で、売り上げ49億5400万円(前期比3.6%増)、営業利益2億4000万円(同8.9%増)、経常利益2億3800万円(同8.4%増)、純利益1億4900万円(同6.9%増)と続伸が予想され、配当も、年間44円(前期実績44円)の高配当を安定継続する。今年5月14日に発表した今12月期第1四半期(2019年1月~3月期、1Q)業績は、中長期成長に向けた人材確保のための採用コストや人件費、生産性向上のための教育訓練費などが先行負担となって利益が小幅赤字転換して着地したが、売り上げは、昨年5月に子会社化したトーヤハウス(熊本県熊本市)などのフル寄与もあって前年同期比13.0%増と大きく伸びており、12月期通期業績は期初予想をクリアする見込みだ。

■「半値八掛け二割引き」水準から大出直りに転じPERは9倍台、配当利回りは4.2%となお割安

 株価は、2017年2月に1250円を公開価格にIPOされ、1300円で初値をつけ上場来高値2580円まで買い進まれる高人気となった。同高値後は、業績の上方修正、増配、自己株式取得やM&Aの成長戦略の発動などがあったものの、新興市場の人気離散とともに下値を探り、昨年12月に上場来安値856円まで調整した。この安値は、大底打ちのアノマリーな指標とされる「半値八掛け二割引き」水準をほぼクリアしており、売られ過ぎとして底上げ転換、1150円の戻り高値までリバウンドしたあと、1000円大台固めを続けてきた。PERは9倍台、PBRは0.96倍、配当利回りは4.21%となお割り負けており、戻り高値抜けから公開価格奪回復、初値奪回とリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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