- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エイジアは調整の最終局面、16年3月期増収増益期待で反発のタイミング
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エイジアは調整の最終局面、16年3月期増収増益期待で反発のタイミング
- 2015/4/16 07:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
メール配信ソフト大手エイジア<2352>(東マ)の株価は上値を切り下げて調整局面だが、第3四半期累計の低進捗率が嫌気された2月安値951円まで下押すことなく、1000円近辺で調整の最終局面のようだ。16年3月期増収増益期待で反発のタイミングだろう。なお5月11日に15年3月期の決算発表を予定している。
自社開発e-CRMシステム「WEBCAS」シリーズなどのアプリケーション事業を主力として、システム受託開発やマーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業も展開している。自社開発メール配信ソフト「WEBCAS e-mail」の導入実績は総合通販大手など約1600社以上に達し、国内メール配信パッケージ市場でのシェアは1位である。
中期成長戦略として「メールアプリケーションソフトのエイジア」から、販売促進・マーケティング支援分野に事業領域を拡大して「eコマースの売上UPソリューションを世界に提供するエイジア」への発展を目指し、クラウドサービス(ASP、SaaS)の強化、新製品・サービス開発の推進、サービスソリューション事業の拡大に取り組んでいる。
M&A・アライアンス戦略では、12年4月ECサイト構築・運営事業拡大に向けてシステムインテグレータ<3826>と資本・業務提携、12年12月メールマーケティングコンサルティング事業拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携、13年10月メールマガジン戦略立案・企画・制作・分析サービスのFUCAを連結子会社化、14年1月Webサイトソーシャル化支援サービスのフィードフォース社と業務提携した。
14年6月には、データベース作成システム「WEBCAS DB creator」を発売し、ジェイモードエンタープライズと共同開発した電子レシートメール送信サービス「レシートメール」も発売した。
なお15年1月にはトヨタ自動車<7203>のメール配信システム導入事例、15年3月には三井物産<8031>の社会貢献活動「サス学」アカデミーメルマガ配信システム導入事例を公開している。
前期(15年3月期)の連結業績見通し(5月14日公表)は売上高が11億20百万円~11億80百万円(前期比11.2%増~17.2%増)、営業利益が2億45百万円~2億80百万円(同1.1%増~15.6%増)、経常利益が2億45百万円~2億80百万円(同2.5%増~17.2%増)、純利益が1億45百万円~1億65百万円(同11.0%増~26.3%増)、配当予想が同1円増配の年間15円(期末一括)としている。
第3四半期累計(4月~12月)は、FUCAの連結も寄与して前年同期比4.3%増収だったが、アプリケーション事業の売上総利益率低下や販管費の増加で同25.6%営業減益、同24.8%経常減益、同22.8%最終減益だった。
なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)2億22百万円、第2四半期(7月~9月)2億65百万円、第3四半期(10月~12月)2億67百万円で、営業利益は第1四半期14百万円、第2四半期51百万円、第3四半期54百万円だった。
通期見通し(レンジ下限値)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が67.3%、営業利益が48.6%、経常利益が49.0%、そして純利益が50.3%と低水準だったが、大型案件の引き合いは増加基調のようだ。
今期(16年3月期)は、アプリケーション事業では利益率の高いクラウドサービスの拡大、サービスソリューション事業では「WEBCAS+メルマガ企画・制作」の拡大などが期待される。開発の効率化や生産性の向上も寄与して増収増益が期待される。
なお15年2月に株主優待制度の新設を発表している。毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。15年3月期末から実施する。
株価の動きを見ると上値を切り下げて調整局面だ。ただし第3四半期累計の低進捗率が嫌気された2月安値951円まで下押すことなく、1000円近辺で調整の最終局面のようだ。
4月15日の終値1008円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の下限値の連結EPS75円07銭で算出)は13~14倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.5%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS437円29銭で算出)は2.3倍近辺である。
週足チャートで見ると52週移動平均線が戻りを押さえる形となり、13週移動平均線と26週移動平均線を割り込んだ。ただし1000円割れ水準の下値支持線に接近して調整の最終局面と考えられる。16年3月期の増収増益期待で反発のタイミングだろう。