【狙い場・買い場】東鉄工業は架線工事で注目、派手さはないが下値固まる

狙い場・買い場

東鉄工業<1835>(東1・売買単位100株)はJR山手線の柱倒壊事故を受けてJR東日本向け線路メンテナンス工事の拡大が期待される。株価は26週線を下値として高値圏でのモミ合いとなっている。

同社は鉄道の軌道保守に強い、建設会社である。JR東日本との関係は強く、業績の依存度も高い。最近では線路のメンテナンス、駅ホーム、高架橋、耐震補強工事などJR東日本向け手持ち工事が増加中で繁忙を極めている。

こうした中、4月12日にJR山手線神田―秋葉原駅間の線路脇で、架線を支える柱が倒れ、9時間以上にわたって運転を見合わせる事態となった。国土交通省はJR東日本に対して再発防止を求める警告文書を提出した。これを受けてJR東日本では徹底的に柱をはじめ線路のメンテナンスに全力を向けて取り組まないといけなくなった。ということは、同社にますます事業拡大のチャンスが訪れたといえよう。

2015年3月期の業績は売上高1128億円(前々期比3.1%増)、営業利益86億円(同1.2%増)、経常利益90億円(同1.4%増)、当期純利益57億円(同7.3%増)と増収増益を確保したもよう。売上、利益共にひとケタ台の伸び率にとどまり成長性という観点からの魅力に乏しい。このため、株価は最近、勢いがなく1月2884円の高値を付けた後、2600円前後でのもみ合いで推移していた。

しかし、線路メンテナンスに対する期待が浮上し、業績的な見方も強気の増えことが予想される。再度、強調展開に突入することになろう。浮動玉比率が9.7%と低く、値動きが比較的軽いのも魅力だ。

年初来高値は2884円(1月27日)、同安値2616円(3月19日)、15日終値は2755円。(志木克己)

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