ベステラはクレーンレール検査システムおよび検査データ取得ロボットを共同開発
- 2019/7/17 13:09
- IR企業情報
◇天井クレーンの定期的な検査を効率化
ベステラ<1433>(東1)とイクシスは、主にプラント・工場設備に設置された重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し検査を行うロボットを共同開発した。
このロボットは、自走することによって、クレーンレールの変異データを3次元的に取得することができる。今後、ベステラとイクシスは、法律で定められた天井クレーンの月次/年次定期検査に本ロボットを利活用することで、プラント・工場設備の安全管理、設備管理に貢献するとともに、知見を予防保全や経年劣化の将来予測へと役立てる。
ベステラの持つプラント・工場設備および3次元計測に関する知見と、イクシスの持つロボット開発技術・データ解析技術を組み合わせることで、新たなクレーンレール検査システムを考案するとともに、検査データ取得ロボットを開発するための研究開発を行っている。
プラント・工場設備に設置されているクレーンレールは、重量物を吊り上げた天井クレーンが頻繁に走行するため、長期の使用に伴い上下左右にうねり等の変異が生じ、放置すれば亀裂等が入り重大な事故につながる恐れがある。
そのため、労働安全衛生法のクレーン等安全規則は、クレーン設置企業に年1回の自主検査を義務付けている。さらに、1ヶ月に1回、特定の事項について自主検査を義務付けている。現行の検査は、教育を受けた作業員による計測と目視確認が中心であり、検査を行う数日間は工場の稼動を完全に停止する必要があり、作業員が天井クレーン上に上がって作業を行うため、作業員の安全性確保が難しい検査方法であることから、安全性、効率性において有効な手段が求められていた。
そのような課題を解消するため、今回、ベステラとイクシスは、プラント・工場設備に設置されている天井クレーンの検査を安全かつ効率的に行うために、新たなクレーンレール検査システムおよび検査データ取得ロボットを開発した。今回新たに開発した技術は、レーザー光を3次元計測器が受信してスパン測定・レール勾配・左右レールの水平差等の3次元座標の測定が可能となる。これにより、無人かつ高負荷環境下での3次元位置測定が可能となり、従来の検査システムでは確認が困難なレール継目の食い違い・レール継目の隙間・細かい亀裂等も正確に検査することができる。また、座標値以外にも画像、点群を取得することでガーダー全体の形状・表面検査が可 能となり、レール計測以外の付加価値を生み出すことができる。
今回共同開発した技術は、従来の検査システムの安全性、効率性を飛躍的に向上させることから、ベステラは、量産したロボットを自社又はプラント・工場設備保有会社に提供し、法律で定められた天井クレーンの月次/年次定期検査に利活用する。また、イクシスは、AIを活用したデータ 解析サービスにより、インフラの予防保全・経年劣化の将来予測につなげる。ベステラとイクシスによるこの検査システムは、i-Constructionの「測量」「設計」「施工」 「検査」「点検・維持管理」「廃棄・更新」のフェーズのうち、「点検・維持管理」と「廃棄・更新」の2つのフェーズをつなげる取り組みであり、アセットマネジメントの最適化に貢献する。
なお、この技術は、2019年7月24日~26日に東京ビッグサイトで開催される「メンテナンス・ レジリエンス TOKYO2019」のベステラ、イクシスブースにおいて展示予定。
https://www.jma.or.jp/mente/