【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューは強基調に転換の可能性、今期大幅増益見通しを再評価

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ネットワーク関連製品のネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)の株価が動意づいた。16日は前日比390円(11.47%)高の3790円まで急伸する場面があった。下値固めが完了して強基調に転換した可能性がありそうだ。15年12月期大幅増益見通しを再評価して出直り展開だろう。

 情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業(ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業)を展開している。

 クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するIT先進企業へ最適なソリューションとして提供する。企業内セキュリティ対策チームをバックアップするNVCプライベートSOC運用支援サービスも提供している。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。

 15年1月にはユニファイド・セキュリティー・サービス部門を新設した。セキュリティ商材の販売・設計・構築・保守サービス・マネージドサービスなど、従来各部門で個別に行ってきた各種セキュリティサービスを統合し、より質の高いサービスの提供を目指す方針だ。

 中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などでプロジェクト単位での受注拡大を目指している。13年5月には新日鉄住金ソリューションズ<2327>と資本・業務提携した。

 そして13年8月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、13年10月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約、14年1月モバイル用作業報告書自動作成アプリのG-Smart社(東京都)と販売代理店契約、14年9月米スレットストップ社のリアルタイムIPおよびドメインレピュテーションサービスに係る国内販売代理店契約、15年2月ネットワークセキュリティ専業メーカーであるNSFOCUS社の日本法人NSFOCUSジャパンと国内販売代理店契約を締結した。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月13日公表)は、売上高が前期比6.9%増の30億81百万円、営業利益が同6.1倍の1億76百万円、経常利益が同19.6倍の1億57百万円、そして純利益が同36.0%増の89百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 先端的なネットワーク関連商品の投入、パートナーとの協業強化、自社サービスの強化に取り組み、セキュリティ、モバイル、クラウドの重点3分野での事業展開に注力するとしている。子会社イノコスの収益改善が課題だが、単体ベースの好調が牽引して増収増益が期待される。

 株価の動きを見ると、15年12月期の大幅増益見通しを好感した2月の戻り高値4270円から反落し、安値圏3000円台前半の水準でモミ合う展開だったが、4月16日は前日比390円(11.47%)高の3790円まで急伸する場面があった。2月安値2930円まで下押すことなく、下値固めが完了したようだ。

 4月16日の終値3620円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円06銭で算出)は38倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS218円52銭で算出)は17倍近辺である。

 16日に急伸して、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調に転換した可能性がありそうだ。15年12月期大幅増益見通しを再評価して出直り展開だろう。

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