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日本エンタープライズは調整一巡、20年5月期増収増益予想
- 2019/7/23 04:56
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
日本エンタープライズ<4829>(東1)は事業ポートフォリオの再構築を推進している。19年5月期は計画を下回ったが営業増益を確保した。20年5月期は増収増益予想である。収益改善を期待したい。株価は7月上旬に動意づく場面があったが、買いが続かず反落して安値圏に回帰した。調整一巡を期待したい。
■事業ポートフォリオ再構築を推進
クリエーション事業(エンターテインメントやライフスタイルのモバイルコンテンツを通信キャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、交通情報サービスなどを提供するビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、ソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、中古端末買取・販売サービスなど)を展開している。
事業ポートフォリオ再構築に向けて、18年2月店頭アフィリエイトサービス事業を譲渡、18年3月中国で携帯電話販売事業を展開する連結子会社の出資金持分を売却した。
ビジネスサポートサービスは、交通情報サービスのライセンス提供や法人向けクラウドサービスの開発、EC関連の受託開発、IP電話アプリ「AplosOne」やチャットアプリ「Fivetalk」など独自ブランド・パッケージサービスの強化を推進する。RPAツール「Kitting-One」や鮮魚EC「いなせり」の拡大も推進する。
18年9月にはソリューション事業において法人向け中古端末(スマホ、タブレットなど)買取・販売サービス(端末周辺事業)を開始した。19年5月には東京都立霊園公式サイト「TOKYO霊園さんぽ」向けに、自動で質問に対話形式で答えるチャットポット「Repl-AI」試験導入を受託した。
■20年5月期増収増益予想で収益改善期待
19年5月期連結業績は、売上高が18年5月期比12.3%減の34億13百万円、営業利益が38.5%増の2億42百万円、経常利益が13.7%増の2億92百万円、純利益が41.1%減の97百万円だった。配当は18年5月期と同額の年間2円(期末一括)とした。
売上高、利益とも計画を下回った。クリエーション事業はコンテンツサービスの減少などで7.6%減収、ソリューション事業は店頭アフィリエイトおよび中国子会社譲渡の影響で17.3%減収だった。
売上面では、新しいソリューション事業(端末周辺事業)の創出に時間を要し、子会社いなせりの売上が計画を下回ったことも影響し、事業ポートフォリオ再構築に伴う売上消失分をカバーできなかった。なお特別損失に子会社いなせりのソフトウェア資産減損損失45百万円を計上した。
20年5月期連結業績予想は売上高が19年5月期比12.8%増の38億50百万円、営業利益が13.5%増の2億75百万円、経常利益が2.5%増の3億円、純利益が63.6%増の1億60百万円としている。配当予想は19年5月期と同額の年間2円(期末一括)としている。
コンテンツサービスの通信キャリア以外のプラットフォームへの展開、ビジネスサポートサービスおよびシステム開発・運用サービスの受託開発の強化、新規の端末周辺事業の拡大などで増収増益予想としている。事業ポートフォリオ再構築で収益改善を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は7月上旬に動意づく場面があったが、買いが続かず反落して安値圏に回帰した。調整一巡を期待したい。7月22日の終値は170円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS3円99銭で算出)は約43倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS122円48銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約69億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)