【新規上場(IPO)銘柄】フィードフォースは「EC Booster」のサービス提供で顧客基盤が拡大、今20年5月期は大幅増益を見込む

株式市場 IPO 鐘

 フィードフォース<7068>(東マ)は、本年7月5日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに掲げ、情報流通の最適化と効果的な広告運用サービス等を提供している。

 データフィード構築のために同社がこれまでに蓄積した膨大な商品・案件等のデータとその変換・更新ノウハウをもとに、企業が持つ情報を最適な形に加工し、ターゲットユーザーに対して適切な情報を適切なタイミングで適切なデバイスに提供することを実現している。また、同社は各デジタルプラットフォーマーと良好なリレーションを構築しており、その関係を活かし同社の複数のサービスを連携させることで、企業の顧客開拓支援に留まらずユーザーとの継続的な関係強化に資する包括的な支援に尽力している。

 プロフェッショナルサービス事業では、主として大企業を中心とした顧客に対して、個々のニーズに応じたデータフィードの構築やプラットフォームへの広告配信受託を行っている。具体的には、データフィード管理のアウトソーシングサービス「DF PLUS」やコンサルティング型広告運用サービス「Feedmatic」等を提供している。

 SaaS事業では、エンタープライズからSMB(中小規模事業者)まで幅広い事業者に対し、セルフサービスで高度なマーケティングが実施できるシステムとして、データフィードマーケティングの管理ツール、自動広告配信ツールやソーシャルログインシステムをSaaSにより提供している。

 前2019年5月期業績実績は、売上高7億円(前の期比24.5%増)、営業損益4500万円の黒字(同2500万円の赤字)、経常損益3400万円の黒字(同3400万円の赤字)、最終損益4300万円の黒字(同2800万円の赤字)に着地。SaaS事業で大幅な増収となったうえ、損益が改善した。同社サービスの利用案件数は700件を突破。SaaS事業において、最短5分からGoogle ショッピング広告が始められる「EC Booster」のサービス提供以降、取引先が増加し、顧客基盤が大きく拡大している。

 今20年5月期業績予想は、売上高9億8900万円(前期比41.3%増)、営業利益2億3500万円(同5.2倍)、経常利益2億3200万円(同6.8倍)、純利益1億6100万円(同3.7倍)と大幅増益を見込む。SaaS事業各サービスの伸長を予想している。上場で調達資金は、人件費や採用費、サーバ費用、本社増床費用、借入金の返済に充てる計画で、予年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、上場2日目の7月8日に4月10日に公開価格1150円の2.4倍相当の2760円で初値をつけ、同11日に上場来高値3545円と買い進まれた後、換金売りに7月31日に上場来安値2016円、8月1日も安値2016円と売られ下げ渋った感がある。「EC Booster」のサービス提供により顧客基盤が大きく拡大しており、SMB(中小規模事業者)顧客へのサービス展開と構造化データ活用領域の拡大による更なる成長が見込まれる。今20年5月期は大幅増益を見込んでおり、9月下旬に予定される第1四半期決算の発表に期待は持てる。ここから下値を固めリバウンド局面入りとなるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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