ミロク情報サービスは売られ過ぎ、20年3月期増収増益・増配予想で1Q順調

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 ミロク情報サービス<9928>(東1)は財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。20年3月期増収増益・増配予想である。第1四半期は小幅増益にとどまったが、進捗率は順調だった。収益拡大基調だろう。株価は7月の年初来高値圏から急反落したが売られ過ぎだろう。目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで、中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。

 19年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が63%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入、サプライ・オフィス用品など継続的な役務の対価)が32%、その他が6%だった。

 収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。

■クラウドサービスやFinTech分野を強化

 目標値(子会社成長戦略見直しなどで19年5月20日に修正)は、M&Aの業績貢献を織り込まず、21年3月期売上高380億円、経常利益80億円、経常利益率21.1%、ROE22.8%としている。

 基本方針として、新規顧客開拓のためのソリューションビジネスの強化、会計事務所・地域金融機関とのパートナーシップの強化、中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」事業の推進、開発体制の抜本改革と積極的な技術者採用・人材育成、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上と働き方改革による従業員満足度の向上を掲げている。

■20年3月期増収増益・増配予想で1Q順調

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比8.6%増の340億円、営業利益が20.0%増の62億円、経常利益が22.6%増の62億円、純利益が8.3%増の40億40百万円としている。配当予想は4円増配の年間38円(期末一括)としている。予想配当性向は29.0%となる。

 新規顧客獲得などで増収増益予想である。開発体制の抜本改革、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上など、グループ全体の経営効率向上や経営基盤強化にも取り組む。

 第1四半期は、売上高が前年同期比11.1%増の85億88百万円、営業利益が3.3%増の14億73百万円、経常利益が3.3%増の15億24百万円、純利益が8.6%増の10億06百万円だった。

 売上面ではシステム導入契約売上高は12.4%増収(ハードウェアが26.2%増収、ソフトウェアが3.3%増収、ユースウェア販売が29.2%増収)、サービス収入が6.9%増収(会計事務所向けのTVSが1.6%増収、ソフト使用料収入が19.9%増収、企業向けのソフトウェア運用支援サービスが7.0%増収、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が2.4%増収、サプライ・オフィス用品が3.1%増収)といずれも伸長した。

 利益は小幅増益にとどまったが、通期予想に対する進捗率は売上高25.3%、営業利益23.8%と順調である。期初時点では保守的な予想とする傾向が強いため、通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ

 株価は7月の年初来高値圏から急反落したが売られ過ぎだろう。目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月6日の終値は2795円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS130円86銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS584円51銭で算出)は約4.8倍、時価総額は約973億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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