【編集長の視点】ヨコレイは相次ぐ物流センター起工を手掛かりに売られ過ぎディフェンシブ買いが再燃し反発

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日6日に寄り付き直後の974円安値から切り返し、大引けでは6円高の1003円と高値引けし、3営業日ぶりに反発した。8月5日の米国ニューヨークダウ工業株平均が767ドル安と今年最大の下げとなり、日経平均株価も一時、609円安と3営業日連続の大幅安となったことが波及、7月17日に年初来高値1073円まで買い進まれた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ寄り付き直後の安値から売られ過ぎとして突っ込み買いが入り、前週末2日に「アイランドシティ物流センター(仮称)」(福岡市東区)の起工式を実施、昨年12月、今年6月6日、6月21日と矢継ぎ早な物流拠点の新設が続くことを手掛かりに割り負けディフェンシブ株買いが優勢となった。信用取組が、薄めながら売り長で逆日歩がつく好需給となっており、売り方の買い戻しも入っている。

■アイランド物流センター起工は昨年12月以来4拠点目でグローバル戦略を支援

 「アイランドシティ物流センター」は、那覇や東南アジアなどの主要貿易港とのアクセスに優れる国際ハブ港として港湾機能の開発・強化が続く博多湾に、最先端の冷凍方式や物流システムを盛り込んだ冷凍倉庫として起工され2021年1月に竣工を予定している。同センター起工に先立って、同社は、昨年12月3日につくば物流センター(茨城県つくば市)、今年6月3日に子安物流センター(神奈川県横浜市)の跡地開発として研修施設・倉庫、6月21日に「長崎ソーティングスポット(仮称)」の起工式をそれぞれ実施しており、この竣工が2020年2月、同4月、同5月を予定し、さらに今回の「アイランドシティ物流センター」の竣工も続くだけに、サバなどの日本産の魚のアフリカや東南アジアへの輸出拠点として新設される「長崎ソーティングスポット」と合わせて、同社業績の中長期成長期待を高めている。

 同社は現在、中期経営計画を推進中で、最終年度の2020年9月期の業績目標に売り上げ1600億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円を掲げており、この達成を強力支援することになる。

 足元の今2019年9月期業績は、売り上げ1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と増益転換を予想し、純利益は、過去最高の33億6000万円(2017年9月期))を2期ぶり更新することになり、8月中旬発表予定の今9月期第3四半期(2018年10月~2019年6月期)決算の動向も、クローズアップされることになる。

■売り方への逆日歩攻勢も加わってPBR0.7倍の割り負け修正に再発進

 株価は、今期第2四半期業績の増益転換着地をテコに900円台を回復、「長崎ソーティングスポット」起工で1000円大台に乗せ、売り方の買い戻しも加わって年初来高値1073円まで買い進まれた。同高値後は、米中貿易戦争再燃による全般相場急落とともに利益確定売りも出て下値を探る動きとなった。ただ依然として売り長で逆日歩のつく信用好需給は不変で、株価水準そのものもPBRで0.76倍と割り負けが目立っており、全般相場に逆行、年初来高値抜けから上値トライに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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