【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ストリームは調整一巡感、16年1月期大幅増益見通しを再評価

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム<3071>(東マ)の株価は、安値圏でモミ合う展開が続いているが、一段と下押す動きは見られない。調整が一巡したようだ。16年1月期大幅増益見通しを再評価して反発のタイミングだろう。

 家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営を主力としている。14年2月には扶桑化学工業<4368>から、化粧品・健康食品の無店舗販売を展開するエックスワンの株式80%を取得して連結子会社化した。他社のネット通販を支援するネット通販支援事業(ECサイト運営業務代行サービス)も展開している。

 アライアンス戦略でオンラインゲーム事業も強化している。14年6月に中国のネットサービス企業集団5173.Comと、ソーシャルゲームおよびeコマースに関して業務提携した。8月には中国ネットゲーム事業の第1弾としてスマホ専用ゲーム「三国志戦姫」について、DMM.comラボとゲームソフトウェアライセンス契約を締結し、5173.Comを通じて中国向けに独占配信した。

 さらに11月には、5173.Comの子会社Licheng(H.K.)Technology Holdings Limited(投資事業および5173グループの中国におけるゲーム事業の統括会社で、14年9月に当社発行の第6回新株予約権を行使、14年12月16日時点で当社の第2位株主)と共同出資による新会社Chipsを設立した。中国製ゲームタイトルの日本への導入・マーケティングを展開する。

 14年9月にはラオックス<8202>と提携し、子会社エックスワンのコスメティック関連商品をラオックスの免税店で販売開始した。12月には、エックスワンが新発売した幹細胞コスメ・シリーズ「XLUXES(エックスリュークス)」について、免税店舗における販売でラオックス独占とすることに合意した。

 15年3月にはエックスワンがタカラバイオ<4974>の研究開発素材を用いた健康維持サプリ「Xフコイダン テルペン」を発売した。ガゴメ昆布「フコイダン」とキノコ「テルペン」を配合したサプリメントで、タカラバイオが30年前から研究を継続している機能性食品素材だ。

 今期(16年1月期)の連結業績見通し(3月13日公表)は売上高が前期比5.5%増の214億65百万円、営業利益が同33.7%増の3億74百万円、経常利益が同23.0%増の3億70百万円、純利益が同14.5%増の2億98百万円としている。配当は無配を継続する。

 インターネット通販事業ではWEBマーケティングによる販促強化、ECサイト改善によるシームレスな購入導線の強化などに取り組む。エックスワンについては訪日観光客をターゲットとする免税店での販売強化、新製品の開発・販売を推進する。オンラインゲーム事業では共同出資の新会社Chipsで事業体制の整備を進める。

 販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保、販管費圧縮などの施策も強化する。エックスワン子会社化に伴う負ののれん発生益が一巡するが、収益は改善基調だ。

 なお14年8月1日付の株式5分割に伴って株主優待制度の一部変更を発表している。決算期末(1月31日)現在100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。

 株価の動き(14年8月1日付で株式5分割)を見ると、1月以降は動意に乏しく安値圏230円~250円近辺でモミ合う展開が続いている。ただし煮詰まり感も強めている。

 4月17日の終値227円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS10円98銭で算出)は20~21倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS49円81銭で算出)は4.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると高値圏から大陰線を引いて急落し、52週移動平均線を割り込んでモミ合う展開だ。ただし一段と下押す動きは見られず、13週移動平均線が横向きに転じた。調整が一巡したようだ。16年1月期大幅増益見通しを再評価して反発のタイミングだろう。

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