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サンコーテクノは調整一巡、20年3月期増収増益・連続増配予想で1Q順調
- 2019/8/9 06:46
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンコーテクノ<3435>(東2)は、建設用あと施工アンカーなどのファスニング事業を主力として、アルコール検知器関連などの機能材事業も展開している。民間・公共設備投資が堅調に推移して、20年3月期増収増益・連続増配予想である。そして第1四半期は2桁増収増益と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■ファスニング事業と機能材事業を展開
ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの製造販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)を主力として、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、アルコール検知器関連の製造販売など)も展開している。
19年3月期のセグメント別売上高構成比はファスニング事業が82%、機能材事業が18%、営業利益構成比(連結調整前)はファスニング事業が87%、機能材事業が13%だった。収益面では建設関連のため期後半の構成比が高い特性がある。
ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。
新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上を掲げている。建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。
なお機能材事業では、19年2月電子基板事業強化に向けてプリント基板表面実装・加工の浦和電研を子会社化、19年4月事業多角化に向けてプラスチック成形機・包装機輸入販売の成光産業・成光パックを子会社化した。機能材事業の規模拡大を目指す。
■20年3月期増収増益・連続増配予想
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.5%増の183億円で、営業利益が5.5%増の13億90百万円、経常利益が5.7%増の14億10百万円、純利益が2.3%増の9億65百万円としている。配当予想は2円増配の年間26円(期末一括)としている。連続増配で配当性向は22.0%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比11.2%増の39億48百万円、営業利益が11.3%増の2億14百万円、経常利益が10.4%増の2億15百万円、純利益が21.4%増の1億42百万円だった。
ファスニング事業は8.9%増収、8.2%増益だった。あと施工アンカー、完成工事、ドリル・ファスナー製品が総じて堅調だった。機能材事業は19.9%増収、10.5%増益だった。電動油圧工具、電子基板が好調だった。
通期の売上高計画はファスニング事業が1.1%減の138億50百万円、機能材事業が46.9%増の44億50百万円としている。ファスニング事業においてはインフラ補修・保全や20年東京オリンピック・パラリンピック関連など民間・公共設備投資が堅調に推移し、機能材事業においてはM&A効果も寄与する見込みだ。通期ベースでも収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。
■株価は調整一巡
株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。8月8日の終値は963円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS118円03銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1477円95銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約84億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)