日本エンタープライズは下値切り上げ、20年5月期増収増益予想

 日本エンタープライズ<4829>(東1)は事業ポートフォリオを再構築して、コンテンツサービス、ビジネスサポートサービス、ソリューションを強化している。20年5月期増収増益予想である。収益改善を期待したい。株価は安値圏だが徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■事業ポートフォリオ再構築を推進

 クリエーション事業(エンターテインメントやライフスタイルのモバイルコンテンツを通信キャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、交通情報サービスなどを提供するビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、ソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、中古端末買取・販売サービスなど)を展開している。

 事業ポートフォリオ再構築に向けて、18年2月店頭アフィリエイトサービス事業を譲渡、18年3月中国で携帯電話販売事業を展開する連結子会社の出資金持分を売却した。

 ビジネスサポートサービスは、交通情報サービスのライセンス提供や法人向けクラウドサービスの開発、EC関連の受託開発、IP電話アプリ「AplosOne」やチャットアプリ「Fivetalk」など独自ブランド・パッケージサービスの強化を推進する。RPAツール「Kitting-One」や鮮魚EC「いなせり」の拡大も推進する。

 18年9月にはソリューション事業において法人向け中古端末(スマホ、タブレットなど)買取・販売サービス(端末周辺事業)を開始した。19年5月には東京都立霊園公式サイト「TOKYO霊園さんぽ」向けに、自動で質問に対話形式で答えるチャットポット「Repl-AI」試験導入を受託した。

■20年5月期増収増益予想で収益改善期待

 20年5月期連結業績予想は売上高が19年5月期比12.8%増の38億50百万円、営業利益が13.5%増の2億75百万円、経常利益が2.5%増の3億円、純利益が63.6%増の1億60百万円としている。配当予想は19年5月期と同額の年間2円(期末一括)としている。

 コンテンツサービスの通信キャリア以外のプラットフォームへの展開、ビジネスサポートサービスおよびシステム開発・運用サービスの受託開発の強化、新規の端末周辺事業の拡大などで増収増益予想としている。事業ポートフォリオ再構築で収益改善を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は安値圏だが徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。8月14日の終値は173円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS3円99銭で算出)は約43倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS122円48銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約69億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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