【特集】金価格関連株に注目、穴株は金庫株、メガバンク株は逆張りも一考の余地

■金価格関連株への見直し買いを再サポート

 金価格は、5月安値からイランによる米国の無人偵察機撃墜や米国の10年物国債価格の利回り低下とともに再上昇転換、それが今年8月に入って次元の異なる急騰ステージ入りとなり、3日には6年4カ月ぶりの高値1546ドルまで逆行高した。金価格関連株への見直し買いを再サポートすることになりそうだ。

■関連新興2銘柄は海洋プラスチックごみ関連株人気も加わり大化け実績

 昨年末に当コラムで取り上げた金価格関連株で最も株価変動率が高かったのは、新興市場株のイボキン<5699>(JQS)アサカ理研<5724>(JQS)で、イボキンは、昨年末の株価が、今年7月に4180円まで昨年末比3倍化し、アサカ理研も、同じく今年6月高値2380円まで4割高した。廃棄物処理・貴金属リサイクル関連株として金価格の上昇が株価動意の引き金となり、さらに海洋プラスチックごみ関連株人気も上乗せとなったことが要因となった。

 この新興2銘柄と同業の貴金属リサイクルのアサヒホールディングス<5857>(東1)松田産業<7456>(東1)、同じく極低位株の中外鉱業<1491>(東2)、世界最高品位の金鉱山・菱刈鉱山で金産出を続ける住友金属鉱山<5713>(東1)、「黒鉱」を保有するDOWAホールディングス<5714>(東1)のほか、純金積立事業を展開の三菱マテリアル<5711>(東1)住友商事<8053>(東1)三菱商事<8058>(東1)、商品先物会社の岡藤ホールディングス<8705>(JQS)豊商事<8747>(JQS)、貴金属買取事業のコメ兵<2780>(東2)トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)SOU<9270>(東マ)などへ関連株買いが広がることが期待される。

■穴株に金庫株が浮上

 消去法の消去法の穴株として注目したいのが、金庫株である。金利が一段と低下して現金を手元に置いておきたいニーズが高まり、購入した金貨、金塊、金の延べ棒の保管場所として金庫需要が高まるとすれば、日本アイ・エス・ケイ<7986>(JQS)ナカバヤシ<7987>(東1)の関連メーカーの出番が迫ってくる。

■年初来安値更新のメガバンク株の逆張りも一考余地

 同じ発想で注目したいのが銀行株である。銀行株といえば、金利低下で利ザヤが縮小、運用環境も悪化して人員削減、店舗網縮小など業績にアゲインストな悪材料とするのが金融常識で、現に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)のメガバンクを代表に軒並み年初来安値まで売られている。しかし金利低下のなか預金金利が、この先、仮にマイナスとなり、預金口座から逆に維持手数料を徴収すようになった場合でも、かんぽ生命の不正契約問題も尾を引いて預金引き出しには走らず、銀行口座を金庫代わりとするケースが見込まれる可能性があり、そうなればメガバンク株を中心に逆張りも一考余地が出てくることになる。

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