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うかいは調整一巡、20年3月期1Q営業減益だが通期営業増益予想
- 2019/8/23 07:21
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
うかい<7621>(JQ)は高級和食・洋食料理店を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。20年3月期第1四半期は人材関連費用の増加で営業減益だったが、通期は企画・イベント・プロモーションを積極推進して営業増益予想としている。通期ベースで収益改善を期待したい。なお7月の既存店売上は前年比100.3%と堅調だった。株価は7月の年初来高値から反落したが、調整一巡し、9月末の株主優待権利取りに向けて上値を試す展開を期待したい。
■高級和食・洋食料理店が主力
高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。19年3月期の売上高構成比は事業本部91%(和食42%、洋食42%、物販7%)、文化事業9%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。
18年3月東京・六本木ヒルズに、鉄板料理「六本木うかい亭」と割烹料理「六本木 kappou ukai」の2店舗を同時オープンした。19年4月、西日本で初の常設店舗となる「アトリエうかい 阪急うめだ本店」を新規出店した。
海外は17年11月、第1号店「うかい亭 高雄」を台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内にグランドオープンした。18年4月には台湾の御盟建設と業務提携し、台湾台北市の商業施設「微風南山」内に海外2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」を19年1月オープンした。
成長戦略では人材の確保・育成、ブランドの研鑽、物販事業の成長促進、国際的なブランド発信の4つ課題を掲げ、さらなる成長に向けた強固な経営体質の確立に取り組んでいる。数値目標には、21年3月期売上高145億16百万円、営業利益5億50百万円を掲げている。
■20年3月期1Q営業減益だが通期営業増益予想
20年3月期非連結業績予想は売上高が19年3月期比2.1%増の142億03百万円、営業利益が22.7%増の2億80百万円、経常利益が30.1%増の2億56百万円、純利益が35.7%増の1億31百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間18円(期末一括)で、予想配当性向は71.9%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比3.7%増の35億60百万円だが、人材関連費用の増加で営業利益が47.8%減の34百万円、経常利益が54.4%減の25百万円、そして税負担の減少で純利益が58.6%増の35百万円だった。
通期は、店舗設備改修・補修、人材確保・成長に向けた費用が発生するが、それぞれの店舗が持つ独自の魅力を活かした企画・イベント・プロモーションを積極推進して増収増益予想としている。通期ベースで収益改善を期待したい。
なお月次売上高速報(前年比)によると、19年7月は全社計が102.4%、既存店が100.3%だった。既存店は2ヶ月ぶりの前年比プラスと堅調だった。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈している。
■株価は調整一巡
株価は7月の年初来高値から反落したが、調整一巡し、9月末の株主優待権利取りに向けて上値を試す展開を期待したい。8月22日の終値は3790円、今期予想PER(会社予想EPS25円02銭で算出)は約151倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は約0.5%、前期実績PBR(前期実績BPS974円76銭で算出)は約3.9倍、時価総額は約198億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)