【アナリスト水田雅展の銘柄診断】OBARA GROUP高値更新の展開、15年9月期業績の再増額期待で上値追い

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は高値更新の展開だ。自己株式取得も好感して4月15日の7740円まで上伸した。15年9月期業績見通しの再増額期待で上値追いの展開だろう。なお5月7日に第2四半期累計(10月~3月)の業績発表を予定している。

 自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(2月12日に増額修正)は、売上高が前期比9.3%増の522億円、営業利益が同6.3%増の95億円、経常利益が同2.5%増の99億円、純利益が同3.0%減の60億円としている。アジア地域での受注が堅調であり、為替のドル高・円安も寄与する。想定為替レートは1米ドル=117円としている。

 配当予想については前回予想(11月10日公表)を据え置いて年間60円(第2四半期末30円、期末30円)としている。前期の年間70円との比較で見ると記念配当10円を落としたが普通配当ベースでは前期と同額である。

 第1四半期(10月~12月)は前年同期比9.5%増収、同23.4%営業増益、同13.0%経常増益、同1.9%最終減益だった。溶接機器関連事業がやや伸び悩んだが、エレクトロニクス業界の設備投資・生産活動の回復で平面研磨装置関連事業の収益が大幅に改善した。純利益は税金費用の増加が影響した。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が23.5%、営業利益が25.8%、経常利益が27.6%、純利益が24.7%と概ね順調な水準である。自動車関連の設備投資需要は国内外で高水準であり、エレクトロニクス業界の設備投資・生産活動も増加基調だ。為替のドル高・円安進行も追い風であり、通期再増額の可能性があるだろう。

 なお3月19日には、2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(転換価額9204円、新株予約権行使期間15年4月22日~20年3月25日)の発行、および自己株式取得を発表している。調達資金(手取約70億円)は設備投資に約20億円、自己株式取得に約50億円を充当する。

 自己株式取得については取得株式総数の上限100万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合5.18%)、取得価額総額の上限50億円、取得期間15年3月20日~15年9月30日としている。そして3月31日時点での累計取得株式総数は25万6800株、累計取得価額総額は17億1809万2000円となった。

 株価の動きを見ると高値更新の展開だ。15年9月期の好業績見通しを評価する流れに変化はなく、自己株式取得も好感して4月15日の7740円まで上伸した。その後は利益確定売りで20日に7130円まで一旦調整する場面があったが、終値では7310円まで戻している。

 4月20日の終値7310円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS310円88銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1959円17銭で算出)は3.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から切り返す動きだ。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形であり、15年9月期業績見通しの再増額期待で上値追いの展開だろう。

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