アルコニックスのグループ企業、富士プレスは記者向け合同説明会を開催

■金属精密プレス事業専業会社としてメキシコを拠点に、北米、中南米市場への事業拡大を目指す

 アルコニックス<3036>(東1)のグループ企業である富士プレスは、2018年12月3日にFUJI ALCONIX Mexicoを設立し金属精密プレス事業専業会社として自動車部品製造の集積地であるメキシコを拠点に、北米、中南米市場への事業拡大を目指している。

 そこで、8月28日に富士プレス本社にて、昨年新社長に就任した髙羽直樹(たかはなおき)氏を交え、社長の経歴と事業方針、メキシコの新会社などについて、記者向け合同説明会が行われた。

 髙羽直樹氏は、三重県出身で、1960年5月10日の誕生、1984年に慶應義塾大学工学部機械工学科を卒業後、デンソー(旧 日本電装)に入社し、工機部に配属された。工機部では、社内向けの設備を設計製作。その工機部で、約30年間働いたが、その途中で1年間は、熱工機部を立ち上げるミッションを受け、熱機器生産開発部に入り、熱工機部を立ち上げた。翌2014年、工機部に戻り、工機部長を拝命し、同年に安全衛生環境部長を経て、2017年に出向という形で富士プレスの常務執行役員となり、翌2018年7月に富士プレスの代表取締役社長に就任し、現在に至っている。

 富士プレスは今年9月で60周年を迎える。資本金は5200万円、売上高83億2000万円、正社員275名、派遣39人、出向者8人を合わせ322人が働いている。本社所在地は愛知県大府市北崎町井田118、事業内容は、自動車用プレス加工部品及び金型の製造を行っている。

 会社の沿革は、1959年の創業で、2007年には、富士プレスを含め数社で中国・江蘇省に共同進出している。2009年には、デンソー優秀仕入先表彰で、最も価値の高い総合賞を受賞している。2018年12月にFUJI ALCONIX MEXICOを設立し、2019年7月より操業を開始している。この他に、九州にもデンソー九州の隣に、北九州製作所を持っている。

 髙羽直樹氏は、新社長として、就任して1年が経っているが、就任するまでの経緯は、一昨年、当時の富士プレスの安藤正敏社長が、デンソーに、事業継承できる人材を紹介してくださいという話を持って行ったところ、髙羽氏が紹介されたということである。

 まず、新社長に就任後、髙羽氏が手掛けたことは、「オーナー企業から普通の会社へ」脱皮することであった。オーナー企業というのは、野球に例えると社長自らがピッチャーで、4番を打ち、チームを盛り立てていくのだが、既に1部上場企業のアルコニックスの子会社になっているので、普通の会社としてやっていくことを選んだ。方針としては、コーナーを丁寧について、打たせて取る、全員参加の野球を目指している。

 就任してからは、30項目近くの色々な変革を行っている。例えば、社内のスケジュール管理を手書きの紙ベースからスケジュールLAN導入に切り替えている。その他にも在庫管理システムを導入している。また、社員の意識を変えるため、目標意識を持って働くように、会議も各部署が報告したいことを話す会議ではなくて、目標と現実のギャップを皆で共有し、いかにすれば目標を達成できるかと考える会議にしている。ほとんどの会議が、課題を解決する会議に変わってきている。また、これからは、ブランディングを大切にするため、会社案内、ホームページもリニューアルしている。

 中期経営計画では、1番目が自己資本比率の改善、2番目が顧客を満足させるサプライヤーとなること、3つ目が、アルコニックスの一員となるにふさわしい企業体宣言、4つ目が海外拠点の自営戦に向けたオペレーションとなっている。

 メキシコでの事業活動については、FUJI ALCONIX MEXICOを2018年12月3日に設立した。株主構成は、富士プレスが80%、アルコニックス20%となっている。北米の自動車メーカー向けに、精密プレス部品を製造販売する。主な顧客は、デンソーメキシコとハマデンメキシコである。今後、デンソーアメリカ向けにも販売する計画がある。2022年までに、現在の2倍の生産数量を目指すとしている。

 アルコニックスとしては、自動車用プレス加工部品メーカーとして、業界のトップ企業をグループ内に迎えたことから、シナジーも期待できるうえに、事業領域が拡大したことからグループ全体の総合力も格段にアップしたといえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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