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神鋼商事は反発の動き、20年3月期減益予想だが上振れ余地
- 2019/9/6 07:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、第1四半期は2桁営業増益だった。通期上振れ余地がありそうだ。株価は年初来安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■20年3月期減益予想だが上振れ余地
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。
セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。
第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%増の2442億79百万円、営業利益が16.8%増の23億42百万円、経常利益が9.5%減の22億23百万円、純利益が41.2%減の11億38百万円だった。
鉄鋼は価格上昇などで8.4%増収だが海外子会社・投資先の利益減少で13.9%経常減益、鉄鋼原料は数量増加・価格上昇などで16.3%増収だが海外子会社の利益減少で19.2%経常減益、非鉄金属はアルミ地金数量減少などで6.7%減収・35.3%経常減益、機械・情報は1.0%減収だが大型圧縮機や電池用材料などの増加で3.5倍経常増益、溶材は数量増加などで11.1%増収・6.8倍経常増益だった。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.9%、営業利益33.9%、経常利益31.8%、純利益24.7%と順調である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株価は反発の動き
株価は年初来安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。9月5日の終値は2227円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想年間110円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約197億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)