【編集長の視点】トーセは次期業績への期待を高めて続伸し配当権利落ち安値から出直る
- 2019/9/13 07:52
- 編集長の視点
トーセ<4728>(東1)は、前日12日に3円高の824円と続伸して引け、8月28日につけた配当権利落ち後安値796円から出直る動きを強めた。目下集計中の前2019年8月期決算の発表を来月10月4日に控え、2期ぶりに増収増益転換が見込まれる2019年8月期に続き2020年8月期業績の続伸期待を高め割り負け修正買いが増勢となった。前日12日から「東京ゲームショウ2019」が開催中で、ゲーム業界で話題の新作タイトルの発表が続きゲーム株人気が高まっていることも、サポート材料視されている。
■大型プロジェクト案件の寄与で10月4日の業績ガイダンスに注目集まる
同社の目下集計中の2019年8月期業績は、前期比17.9%増収、18.6%営業増益、24.2%経常増益、2.4%純益増益と2期ぶりの増収増益転換が予想されている。スマホ向けの開発タイトル数が、12タイトルに増加し、大型プロジェクト案件も、3億円以上の案件が前期の1案件から3案件へ、1億円以上の案件が同7案件から8案件にそれぞれ増加することなどが要因となったもようである。年間配当は、前期と同様に25円を安定継続する。
続く2020年8月期業績も、このスマホ向けの大型案件の開発プロジェクトが引き続き寄与する見込みで業績期待を高めている。東洋経済会社四季報最新号では、次期2020年8月期の売り上げを57億円(2019年8月期会社予想比7.0%増)、営業利益を3億円(同10.7%増)、経常利益を3億5000万円(同5.4%増)、純利益を2億円(同4.2%増)と観測しており、10月4日予定の決算発表時のトーセの業績ガイダンスに注目が集まっている。
■上値抵抗線の25日線を上抜きトレンド転換を示唆しまず5月の戻り高値奪回
株価は、今年3月に年初来高値1034円まで買われ、798円まで調整したところで、5月に5G(第5世代移動通信システム)関連の開発体制強化を明らかにしたこと好感してストップ高、964円高値まで急伸した。同戻り高値からは、25日移動平均線が上値抵抗線となって800円台へ下値を探り、期末の配当権利取りで839円へリバウンドし、権利落ちで796円と下ぶれ、出直る動きを強めてきた。この出直りで上値抵抗線の25日線を上抜き、トレンド転換を示唆しており、まず5月高値964円奪回に動こう。(本紙編集長・浅妻昭治)