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トレジャー・ファクトリーは上値試す、20年2月期営業利益横ばい予想だが上振れ余地
- 2019/9/13 07:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。20年2月期営業利益横ばい予想だが、第1四半期が大幅増益となり、第2四半期累計予想を上方修正している。8月の既存店売上も順調だった。通期も上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は8月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■リユースショップを展開
総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。
19年6月末時点の店舗数は、グループ合計186店舗(タイの3店舗を含むトレジャー・ファクトリー65店舗、トレファクスタイル50店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット5店舗、ブランドコレクト2店舗、トレファクマーケット1店舗、16年9月子会社化したカインドオル39店舗、18年3月子会社化したゴルフキッズ19店舗)である。
中期成長戦略として、リユース事業の成長(年間15店舗前後の新規出店、買取の強化、EC販売の拡大)、M&Aによる成長、海外市場での成長(タイのバンコクで多店舗展開モデルを構築して収益化、他国への展開)、新規事業への投資(トレファク引越やECドレスレンタル「Cariru」事業への投資継続)を推進している。
なおEC事業の本格展開やビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に向けて、19年1月システム開発のデジタルクエストを子会社化した。
■20年2月期営業利益横ばい予想だが上振れ余地、配当は増配
20年2月期の連結業績予想は、売上高が19年2月期比11.3%増の197億41百万円、営業利益が0.4%増の9億09百万円、経常利益が0.2%減の9億48百万円、純利益が10.8%増の6億26百万円としている。配当予想(8月9日に第2四半期末1円上方修正)は、19年2月期比1円増配の年間17円(第2四半期末9円、期末8円)としている。予想配当性向は30.7%となる。
新規出店は15店舗前後、単体既存店売上は101%を目指し、既存店売上総利益率も19年2月期と同程度を見込むが、物流センター増床や新規出店に伴う費用増加など、先行投資で営業・経常利益横ばい予想としている。
第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の47億46百万円で、営業利益が26.5%増の3億87百万円、経常利益が26.4%増の3億98百万円、純利益が36.2%増の2億65百万円だった。既存店売上(単体)が103.7%と好調に推移し、新規3店舗出店も寄与した。また単価上昇や原価適正化などで売上総利益率が改善(0.5ポイント上昇)した。
第1四半期の好調を受けて第2四半期累計予想を上方修正した。通期予想は据え置いたが上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。
月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、19年8月は全店110.5%、既存店105.6%だった。既存店売上は2ヶ月ぶりの前年比プラスだった。梅雨明け後の気温上昇で、夏物を中心とした生活家電、衣料が好調だった。新規出店は1店舗、退店は0店舗で19年8月末時点の店舗数は127店舗となった。なお3月~8月累計は全店107.0%、既存店103.4%だった。
■株主優待制度は2月末の株主対象
株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は上値試す
株価は8月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月12日の終値は1261円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS55円32銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS378円68銭で算出)は約3.3倍、時価総額は約146億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)