【新規上場(IPO)銘柄】ブシロードは連続最高益更新見通し、上値が重く売りに押される

株式市場 IPO 鐘

 ブシロード<7803>(東マ)は、本年7月29日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、2007年にトレーディングカードゲームの制作・販売を中心に各種コンテンツプロデュース業務を行う会社として設立。同社グループは、IPの開発・取得・発展によって事業を拡大させる「IPディベロッパー」戦略のもと、エンターテイメント事業とスポーツ事業においてIPを軸にメディアミックス展開し、様々な形でプロダクトやサービスを提供することで突き抜けた楽しさと感動をもたらす新時代のエンターテイメントを顧客に届けるよう、積極的な事業活動を推進している。

 9月13日大引け後に7月期本決算を発表。今20年7月期は、これまでの「IPディベロッパー」戦略を踏襲し、IPの国内外での拡大への取り組みを着実に進めつつ、投資や協業も含めた新たな挑戦を続ける。

 エンターテイメント事業では、引き続き各部門の事業を伸長させながら、特にモバイルオンラインゲーム(MOG)部門において、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルAll STARS」や「カードファイト!!ヴァンガードZERO」など有力な新作タイトルのリリースを中心に売上高を拡大させる。また、「D4DJ」や「ARGONNAVIS from BanG Dream!」等の新規IPを育成・発展させるために、売上高の2ケタ成長を目標に置きつつも開発費や宣伝費への積極的な投資を行い、既存IPの上に新規IPを積み上げる積層型の収益モデルをより確固たる成長を図る。

 スポーツ事業では、新日本プロレスを中心に、メディア事業拡大によるコンテンツ部門の成長促進や米国を主とする海外展開の拡大のほか、東京ドームでの2連戦など規模拡大による更なる興業部門の成長を図る。

 前2019年7月期業績実績は、売上高321億7500万円(前の期比11.4%増)、営業利益30億5800万円(同4.4%増)、経常利益30億3100万円(同1.2%増)、純利益17億9900万円(同9.9%増)に着地。営業利益は当初計画を 12.4%上振れし、減益予想から一転連続最高益と好調に推移した。

 今20年7月期業績予想は、売上高360億円(前期比11.9%増)、営業利益31億円(同1.4%増)、経常利益31億円(同2.3%増)、純利益18億円(同横ばい)の連続最高益更新を見込む。年間配当は無配を予定している。

 株価は、8月27日に上場来高値3250円をつけた後、同28日安値2743円、9月12日安値2778円、同18日安値2750円と売られもみ合っている。今20年7月期連続最高益更新を見込むが、3000円から上に戻り待ちの売りが控えており、上値の重い展開となっている。信用買残が減少し需給が改善され、どこで下値を固めるか見極めるところだろう。(株 式評論家・信濃川)

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