【特集】ノーベル賞受賞者発表シーズンでは新素材・バイオ関連銘柄が再出番

■ ノーベル賞関連株とともにシナリオ相場の先取り余地が拡大

 3連休明けは、スウェーデンのノーベル財団が授与するイベントのノーベル賞関連株とともにシナリオ相場の先取り余地が拡大しそうだ。

 ノーベル賞関連株は、2012年に京都大学の山中伸弥教授が、iPS細胞の開発で医学・生理学賞を受賞したことからiPS細胞関連株が軒並み上昇し、2018年には本庶祐京都大学特別教授が、がん免疫療法の開発で医学・生理学賞を受賞したことで「オプジーボ」の小野薬品工業<4528>(東1)が、再人気化したことは記憶に新しい。10月は、このノーベル賞の受賞者発表シーズンに入り、10月7日の医学・生理学賞を皮切りに8日の物理学賞、9日の化学賞、10日の文学賞、11日の平和賞、14日の経済学賞と続く。各賞の日本人受賞者の下馬評も盛んとなっており、先取り有利の展開も想定される。

 化学賞では、リチウムイオン電池発明で吉野彰名城大学大学院理工学研究所教授が下馬評に上っており、リチウム電池関連のニッポン高度紙工業<3891>(東2)田中化学研究所<4080>(JQS)日立化成<4217>(東1)パナソニック<6752>(東1)TDK<6762>(東1)村田製作所<6981>(東1)などが買い直される展開も想定される。「カーボンナノチューブ」の発見で有力視される飯島澄男名城終身教授関連では、東レ<3402>(東1)クラレ<3405>(東1)昭和電工<4004>(東1)戸田工業<4100>(東1)東海カーボン<5301>(東1)巴工業<6309>(東1)アルバック<6728>(東1)GSIクレオス<8101>(東1)などが脚光を浴びそうだ。

 医学・生理学賞では、MRI装置の基本原理を発見した小川誠二東北福祉大学特任教授が下馬評に名を連ねており、関連株では日立製作所<6501>(東1)、国内トップの東芝メディカルシステムズを買収したキヤノン<7751>(東1)、画像改善ソフトの東陽テクニカ<8151>(東1)、放射線・電磁波シールドの技研ホールディングス<1443>(東2)、細胞のオートファジー(自食作用)の可視化で候補に上る水島昇東京大学大学院医学系研究科教授関連では、大隅良典東京大学大学院栄誉教授が受賞した2016年と同様に関連の医薬品開発を推進している武田薬品工業<4502>(東1)、関連試薬のコスモ・バイオ<3386>(JQS)タカラバイオ<4974>(東1)、化粧品に応用のポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東1)などが買い進まれることになる。

 文学賞の万年受賞候補の村上春樹が、やっと受賞決定となれば、丸善CHIホールディングス<3159>(東1)文教堂グループホールディングス<9978>(JQS)などに関連株買いが高まろう。ノーベル賞は、受賞者発表から授賞式の年末12月まで文化勲章の同時受賞も加わって折につけマスコミへの露出度も高まるだけに、息の長い相場展開も有力となる。

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