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ソレイジア・ファーマは下値固め完了、がん領域創薬ベンチャー
- 2019/9/27 08:16
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーである。候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。当面は赤字だが20年以降の上市本格化と収益化を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了して反発を期待したい。
■がん領域中心の創薬ベンチャー、開発権導入による臨床開発が主力
がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーである。候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。
日本および中国を中心とするアジア諸国において、世界の医薬品企業やバイオテクノロジー企業から有望な製品候補を導入し、国際共同治験を含む積極的な開発戦略によって迅速な承認取得を目指している。
抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐を適応症とするグラニセトロン経皮吸収型製剤SP-01(導入元:Kyawa Kirin、欧米製品名Sancuso)は、中国で18年7月承認取得し、19年3月販売開始した。香港、マカオ、台湾、マレーシア、シンガポールではサブライセンス先の協和発酵キリンが販売している。19年6月には、中国臨床腫瘍学会発行「がん治療時の悪心および嘔吐の治療用ガイドライン」において、がん治療時の標準的な制吐療法の選択肢として新たに収載された。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を適応症とする抗がん剤SP-02(導入元:ZIOPHARM)は、日本・韓国・台湾・香港において第2相臨床試験(最終)を実施中である。19年中の完了予定、20年承認申請予定である。なお9月17日には被験者の登録が目標症例数に到達したと発表している。中国では第2・3相臨床試験(最終)準備中である。米国では第2相臨床試験が完了している。欧州では前臨床試験が完了している。導出先として日本ではMeiji Seika ファルマ、南米ではコロンビアのHB社とライセンス契約を締結している。
がん化学療法および放射線療法による口内炎に伴う疼痛緩和口腔用液材SP-03(導入元:Camurus)は、日本で18年5月国内導出先であるMeiji Seika ファルマが販売開始した。中国では19年2月承認取得し、19年7月中国で販売開始した。韓国では19年3月承認申請した。
がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応症とするSP-04(導入元:PledPhama)は、日本・韓国・台湾・香港において、第3相臨床試験(最終)を実施中(20年中の終了予定)である。また中国で臨床試験準備中である。
なお中国での商流構築に関しては、伊藤忠商事と中国販売にかかる代理店契約を締結している。対象製品はSP-01およびSP-03の中国販売用製品で、18年から販売体制を整備している。また自販戦略として、北京市・上海市・広州市では、自社でのセールス・マーケティングを行う。
■20年以降の上市本格化と収益化期待
19年12月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が5億円~17億円、営業利益と純利益が30億円の赤字~20億円の赤字としている。売上収益にはSP-01の中国製品販売収益、SP-03の日本および中国製品販売収益、SP-02やSP-04の権利導出収益などを見込んでいる。第1四半期は売上高が1億30百万円で営業利益が10億10百万円の赤字だった。当面は赤字だが20年以降の上市本格化と収益化を期待したい。
■株価は下値固め完了
株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了して反発を期待したい。9月26日の終値は151円、時価総額は約159億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)