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インフォコムは上値試す、20年3月期2桁営業増益・連続増配予想で上振れ余地
- 2019/10/1 07:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(東1)はITサービスや電子コミック配信サービスを主力としている。20年3月期2桁営業増益・連続増配予想である。第2四半期累計予想を上方修正しており、通期予想も上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は8月の上場来高値から一旦反落したが素早く切り返している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお10月30日に第2四半期決算発表を予定している。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、RPAとAIを活用したERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安否確認サービスなどのサービスビジネス事業)と、一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス「めちゃコミック」、女性向け・音楽系デジタルコンテンツ提供)を展開している。
19年3月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比はITサービス47%、ネットビジネス53%、営業利益構成比はITサービス36%、ネットビジネス64%だった。電子コミック配信サービスの拡大でネットビジネスが利益柱に成長した。なおITサービス事業は年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■電子コミックとヘルスケアで成長加速
中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を成長の追求、および成長を支える経営基盤の継続強化としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には、20年3月期売上高600億円~800億円(SI・サービス160億円、ヘルスケア140億円、電子コミック300億円、およびM&A200億円)、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
18年3月電子書籍事業大手パピレス<3641>の株式9.83%取得、18年6月AI与信エンジン搭載の通信販売事業者向け後払い決済与信サービス「at score」を発表、19年5月アムタスが韓国で電子コミック配信サービスを展開するピーナトゥーンを子会社化、アムタスとパピレスが海外への取次事業を行う共同出資会社アルド・エージェンシー・グローバル(AAG)を設立した。
■20年3月期2桁営業増益・連続増配予想、さらに上振れ余地
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比10.2%増の570億円、営業利益が13.2%増の78億円、経常利益が13.5%増の78億円、純利益が8.7%増の52億円としている。配当予想は19年3月1日付株式2分割遡及修正後で7円増配の年間29円(第2四半期末10円、期末19円)としている。連続増配で予想配当性向は30.5%となる。
ネットビジネスの電子コミック配信サービスの好調が牽引し、ITサービスにおいてもヘルスケア事業が順調に推移する見込みだ。セグメント別計画は、ITサービスの売上高が3.2%増の250億円で営業利益が8.6%増の27億円、ネットビジネスの売上高が16.4%増の320億円(電子コミック配信サービスが19.5%増の318.7億円)で営業利益が16.1%増の51億円としている。
電子コミック配信サービスはTV-CMを含めてプロモーションを強化し、韓国のピーナトゥーンを子会社化して海外市場開拓を本格化する。ヘルスケア事業は病院向けサービスや介護分野サービスを強化する。
第1四半期は、売上高が前年同期比21.2%増の126億87百万円、営業利益が83.1%増の12億40百万円、経常利益が76.1%増の12億68百万円、純利益が79.4%増の8億59百万円だった。
ITサービスは8.9%増収で営業黒字化した。売上面は病院向けITサービス中心に好調だった。利益面では売上構成差も寄与した。ネットビジネスは30.4%増収で11,7%増益だった。電子コミック配信サービスが好調に推移し、広告強化・海外展開・データ分析の投資コスト増を吸収した。
重点事業が好調に推移しているため第2四半期累計予想を上方修正した。通期予想は据え置いたが、上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株数および保有年数に応じて、優待商品と交換できる株主優待ポイントを贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は上値試す
株価(19年3月1日付で株式2分割)は8月の上場来高値から一旦反落したが素早く切り返している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月30日の終値は2522円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS95円07銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想年間29円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS595円05銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約1453億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)