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エイジアは調整一巡、20年3月期大幅増収増益・連続増配予想
- 2019/10/3 05:39
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。メッセージ配信最適化ソリューション中心に新製品・サービス開発を強化している。20年3月期大幅増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお10月31日に第2四半期決算発表を予定している。
■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力
自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、コンサルティングやシステム受託開発も展開している。18年8月ベビー服ECサイト「べびちゅ」運営の子会社ままちゅを設立し、18年9月ハモンズからベビー服ECサイト運営事業を譲り受けた。
19年3月期のセグメント別売上高構成比はアプリケーション事業75%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%、EC事業6%である。
メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。4000社以上の導入実績を誇り、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心とするe-CRMアプリケーションシリーズである。
収益面では下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。
■メッセージ配信最適化ソリューションなど新製品・サービス開発強化
中期経営計画では目標値として、20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。
なおマーケティングオートメーションの開発に注力してきたが、得意領域の配信性能に対するニーズが強いことが判明したため、18年9月に世界有数のエンゲージメントプラットフォーム「Marketo(マルケト)」と連携したメール配信エンジンの提供を開始した。そして今後の製品開発戦略を「クロスチャネルマーケティングプラットフォーム」から、人工知能をはじめとするデータ分析ソリューションと連携する「メッセージ配信最適化ソリューション」に変更した。
■20年3月期大幅増収増益・連続増配予想
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比14.5%増の19億50百万円、営業利益が20.0%増の4億46百万円、経常利益が20.1%増の4億45百万円、純利益が2.3倍の3億円としている。配当予想は3円増配の年間23円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は30.3%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比18.3%増の4億41百万円で、営業利益が11.3%増の69百万円、経常利益が14.7%増の71百万円、そして純利益が21.3%増の48百万円だった。
期初計画では人材採用費が集中して減益見込みとしていたが、一転して2桁増益で着地した。売上高は、ライセンス販売が前年の大型案件の反動で減収だが、クラウドサービスが大幅増収となり、全体として計画を上回った。さらにストック売上(クラウド月額課金やライセンス保守など)比率の上昇、採用費用の効率化、サーバ保守費用の減少なども寄与した。
第1四半期の進捗率は低水準の形だが、下期の構成比が高い特性があるため、2桁増益は順調と言えるだろう。通期もクラウドサービスの大幅伸長で収益拡大を期待したい。
■株主優待制度を変更
株主優待制度(6月17日に変更を発表)は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈する。株主優待ポイントは、株主限定特設インターネットサイト(エイジア・プレミアム優待倶楽部)で食品、電化製品、ギフトなどに交換できる。19年9月30日基準から適用(詳細は会社HP参照)する。
■株価は調整一巡
株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。10月2日の終値は1223円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS75円77銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS342円95銭で算出)は約3.6倍、時価総額は約54億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)