トレジャー・ファクトリーの第2四半期累計決算は営業利益が予想を27%上回るなど好調に推移

■第1四半期を通過した段階で上方修正した予想額をさらに上振れる

トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)が10月9日の取引終了後に発表した第2四半期の連結決算(2019年3~8月・累計)は、既存店を中心に客単価の向上が続いた上、仕入れの面では出張買取や宅配買取が大きく拡大するなど、各チャネルで安定的に行えたことなどにより、営業利益が3.79億円(前年同期比55.6%の増加)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は2.88億円(同75.5%の増加)。各利益とも大幅な増益になった。

■経常利益は33%上振れ、純利益は41%上振れる

 第1四半期を通過した段階で第2四半期と2月通期の業績予想を上方修正したが、営業利益はこれをさらに27%上振れ、経常利益は同じく33%、純利益は同41%上振れた。

■新規事業の「トレファク引越」「ECドレスレンタル」にも投資継続

 例年、6~8月の収益は、仕入れを強化することなどにより鈍化する傾向があるが、期初からの累計では、販売管理費のコントロールが効いたほか、買取時の価格設定の適正化を進め、値引き、値下げが減少したことにより利益率が改善した。売上高はほぼ想定線の90.66億円(同9.1%の増加)だったが、自社ECサイトを中心に強化しているEC販売は同44.7%も増加した。

 下期以降は、中期的な4つの成長戦略(リユース事業の成長、M&Aによる成長、会議市場での成長、新規事業への投資)を引き続き推進し、売り上げ、利益のさらなる拡大に取り組んでいく。新規事業では、「トレファク引越」やオンラインサイトでの「ECドレスレンタル」に投資を継続し、次の収益の柱に育てる。また、中期的には不動産に関連する新たな事業の計画もあるようだ。

 2月通期の連結業績予想については、10月1日に施行された消費税率の引き上げによる影響がまだ見通せないことを主要因に、発表日の段階では従来予想を据え置き、売上高は197.41億円(19年3月期比11.3%の増加)、営業利益は9.09億円(同0.4%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は6.26億円(同10.8%の増加)、1株利益は55円32銭。

 「節約志向」といった消費性向が強まる可能性も踏まえ、引き続き買い取りのチャネルを広げて強化するとともに、「お手ごろ」なリユース品を豊富に提供できるように取組を進めていくとした。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る