マルマエは有機EL向け投資回復などで今8月期の営業利益31%増を見込む

■前期は米中貿易摩擦の影響などで減収減益だったがV字急回復の見込み

マルマエ<6264>(東1)は10月10日の取引終了後、2019年8月期の決算を発表し、営業利益は前期比59.9%減の4.95億円となったが、今期・20年8月期の見通しは6.50億円(19年8月期比31.2%増加)としV字急回復の見込みとした。

■年度末にかけてメモリメーカー向けで設備投資再開の動き

 半導体製造装置やFPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工を主事業とし、19年8月期は、主な販売分野である半導体業界が米中貿易摩擦の影響などを受けて設備投資の中止や先送りが発生し、売上高は前期比12.4%減の40.19億円となった。純利益も同49.6%減の4.36億円となった。

 しかし、年度末にかけては、メモリメーカー向けで設備投資再開の動きが出始めるなど、回復傾向がみられている。また、FPD業界では、停滞していた中小型有機EL投資が再開するなど、動きが出てきたとした。

■「当社の生産余力活用を狙い新たな顧客も獲得」

 今期・20年8月期は、停滞していた韓国メーカーのメモリ向け設備投資に再開の動きが出始めており、また、ロジック向けの設備投資も回復が続いているという。さらに、「当社の生産余力活用を狙い新たな顧客も獲得している」(決算短信より)とした。

■大型電子ビーム溶接機(EBW)関連受注は過去最高を想定

 中でもFPD分野では、有機EL向けの設備投資回復と大型電子ビーム溶接機(EBW)を活用した受注を中心に、需要は大きく拡大傾向と見込んでおり、過去最高水準の数値になると想定している。

 このような市場環境などから、第2四半期以降にはメモリ向け受注が回復し始め、第3四半期以降には新たな顧客の受注も増加する見通しを持っているとした。20年8月期の業績見通しは、売上高を49.0億円(19年8月期比21.9%増)とし、営業利益は6.5億円(同31.2%増)、当期純利益は4.4億円(同0.8%増)、1株利益は33円71銭を予想している。(HC)

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