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スターティアホールディングスは戻り試す
- 2019/10/15 05:35
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
スターティアホールディングス<3393>(東1)はデジタルマーケティング関連事業とITインフラ関連事業を主力としている。20年3月期は先行投資負担で減益予想だが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は8月の年初来安値から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。
■デジタルマーケティング関連やITインフラ関連を展開
AR(拡張現実)作成ソフトやMA(マーケティングオートメーション)ツールなどのデジタルマーケティング関連事業、情報通信機器の販売・施工・保守やシステムインテグレーションなどのITインフラ関連事業を展開している。
19年3月期セグメント別売上構成比はデジタルマーケティング関連事業17%、ITインフラ関連事業79%、ビジネスアプリケーション関連事業3%、CVC関連事業0%、海外関連事業1%、その他事業0%である。ストック売上比率はデジタルマーケティング関連事業58%、ITインフラ関連事業37%だった。なお20年3月期からビジネスアプリケーション関連事業をITインフラ関連事業に含める。
デジタルマーケティング関連事業は、AR作成ソフトCOCOAR、MAツールBowNow、電子ブック作成ソフトActiBook、アプリ制作ソフトApp Goose、商品データベース作成ソフトPlusdbなどアプリケーション開発・販売を展開し、統合型デジタルマーケティングサービスCloud Circus拡販やラインナップ充実を推進している。18年12月アジアクエストと資本業務提携した。19年9月にはMAツール導入数が3000社を突破した。
ITインフラ関連事業は、MFP・ビジネスホン・UTM・ネットワーク機器など情報通信機器の販売・施工・保守、およびサーバ構築から運用保守までのシステムインテグレーションを展開している。18年11月空調、新電力サービスを中心とする環境関連サービスを開始した。また19年2月サガスのOA機器関連事業、19年3月東和オフィスマシンの一部事業を譲り受けた。
ビジネスアプリケーション関連事業は、クラウドストレージサービス、RPA製品導入・コンサルティングを展開している。CVC関連事業はキャピタルゲインを目的とした投資事業を展開している。海外関連事業は中国とシンガポールの現地法人が、日中間ブロードバンドインターネット提供、クラウド構築運用支援などを展開している。
中期成長イメージとして22年3月期営業利益10億円を目指している。サブスクリプション型のビジネスモデルを拡大し、安定成長できる収益基盤を構築する。
■20年3月期は先行投資で減益予想
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.7%増の128億22百万円と順調だが、先行投資負担で営業利益が2.2%減の5億06百万円、経常利益が12.1%減の5億04百万円、純利益が10.3%減の2億90百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間9円(第2四半期末3円、期末6円)としている。予想配当性向は31.8%となる。
第1四半期は売上高が前年同期比3.3%増の28億73百万円(デジタルマーケティング関連事業3.5%減収、ITインフラ関連事業3.7%増収など)だが、先行投資負担で営業利益が2百万円の赤字(前年同期は37百万円の黒字)、経常利益が12百万円の赤字(同49百万円の黒字)、純利益が31百万円の赤字(同62百万円の黒字)だった。
通期も、売上面は順調に拡大(計画はデジタルマーケティング関連事業16.2%増収、ITインフラ関連事業4.1%増収など)するが、M&Aなどで拡大した基盤に対して、人材強化やシステムへの先行投資を実行するため各利益は減益予想としている。中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は戻り試す
株価は8月の年初来安値から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。10月11日の終値は561円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS28円32銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS473円95銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約57億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)